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2部   科学技術人材
第8章  需給における課題
4  才能の開発
(3)  職場における資質の向上


学校教育はかならずしも企業等における個々の職務と直接の関連をもつものでなく,職場に新たに入つた科学技術者には多くの場合職務に関連する教育が与えられる。さらに,職場における経験者についても,科学技術の進展に応じ,また職務の変化に応じて再教育が必要となつてくる。

とくにわが国の場合は,企業間あるいは研究所,大学等の間の流動性が少ないため,雇用した人材の有効な活用のために,企業等の職場における教育は重要である。また,技術革新に対して,適応しない人材を生むことは企業体あるいは国全体にとつても損失を生ずることとなる。

企業における再教育の実施の形態は,1)定例的な研究会,2)集合教育(技術,TWI等に関する講習会),3)企業外の機関への派遣教育の三種に大別され,一般的には企業内において行なわれているものが多いが,再教育の拡大にともなつて企業外の教育がかなり重要性を増してきている。

企業の研究者の社外派遣による研修状況については,「企業の研究活動による調査」(昭和38年科学技術庁)では, 第8-16表 の通りであつて,派遣先は大学が最も多く,次いで国立研究機関,その他となつており,外国の大学や研究機関に対しての派遣もかなり多い。

研究者の国外派遣状況については.別に昭和39年に科学技術庁と文部省が共同して調査を行なつたが,昭和34年の686名が昭和38年には1,117名と5年間に1.7倍と大幅に増加しでいる。このうち大学関係者の派遣,留学が約70%,研究機関等および企業がそれぞれ約15%を占めており,圧倒的に大学関係が多いが,民間企業も伸び率においては大学を上廻つている。

海外渡航については,かならずしも再教育のためとはかぎらないが,最近における再教育の増加ぶりの一面を示すものとみることができよう。

第8ー16表 研究者の派遣,留学状況(最も多いもの)

このようにすでに職場に入つた科学技術者についても再教育の機会は増加しており,今後この傾向は一層高まつていくものと思われ,職場との関連において,再教育ができうるかぎり効果的に発揮されるよう留意することが肝要である。

この点に関し,技能者あるいは技術者については,再訓練を効果的に実施するための新らしい方式に関心が寄せられつつある。その一つがプログラム学習法と呼ばれるもので,教育目的に沿つて速やかにかつ適確に学習を行なうために,最も効果的にカリキュラムを組み,それに適した学習方法を組み合わせるものである。学習方法としても,単にスライド,映画,テレビジョン等の機器を用いるものから,特定の学習目的に沿つて,シュミレーターあるいは電子計算機によるティーチングマシンを用いるものの開発へと進みつつある。この考え方はアメリカで発達して普及しはじめたものであるが,わが国においても科学技術の進展に応じて新しい教育手段の開発がさらに進められることが望まれている。


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