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2部   科学技術人材
第8章  需給における課題
1  職務と配置
(3)  科学技術者の活用


科学技術者の需要の増大にともなつて,その不足対策として,主に大学における養成数の増大に期待がかけられているが,一方科学技術者の雇用側において,適正配置が十分行なわれていないことによつて,科学技術者の不足が助長されていることはないであろうか。

この点は,大きくは政府機関,大学,民間企業等の間における雇用の均衡として問題となるであろうが,企業内においても,前節までにも述べたように,きわめて多様な専門頭域にわたる科学技術者を,種々の組織部内の職務に適正に配分することは,科学技術の進歩が速やかであるだけにかならずしも容易ではない。

「科学技術者の配置と職務に関する調査」によれば,この点に関し,「現状でよい」としているのは54%であり,「偏在している」というのが14%,「分散しすぎている」とするのが6%となつている。

「現状でよい」とする回答は,規模の大きい企業と研究所であり,「偏在」または「分散」等の問題があるとするのは,業種別には機械,木材パルプ,窯業,鉄道,精密機械,繊維,輸送機械等である。一方,これらの配置状況に問題があるとする回答の多い所は,科学技術者の充足率の悪い所が多く,配置が不適正となる理由に,「科学技術者の絶対数の不足」をあげているところからみると,科学技術者の過剰による偏在ということは少いものと考えられる。

そこで科学技術者の不足の実情についてどのように企業が考えているかを同じ調査結果についてみると, 第8-6表 のように,質量とも不足しているとするものが47%,量的のみに不足しているとするものが8%,質的のみに不足しているとするものが23%であつて,この調査の対象となつた大企業では,むしろ質的な不足を問題にしているところが多い。

この質的な不足,または科学技術者の偏在の内容としては,専門分野別の不均衡,とくに新しく発展している専門領域の不足が大きな要因となつていることが考えられる。また,年令別には,中堅の科学技術名の不足を指摘している企業の多いことがめだつている。

第8-6表 不足の実状割合 (%)

一方科学技術者自身はどのように考えているかを示したのが 第8-2図 であるが,これによれば,十分に活用されていると考える科学技術者は27%であり,活用されていないと考えている科学技術者も14%あることは,考慮さるべきことであろう。とくに活用されていないと考えている科学技術者は若い年令層に多く,業務内容別には営業,事務に従事する科学技術者に多い。

第8-2図 科学技術者の活用状況

活用されていない理由としては,雑用が多すぎるとするものが47%,程度が低すぎるとするものが15%あるほか,専門分野が異なるとするものが26%,性格が合わないとするものが5%あり,ここに最近の科学技術者の職務の多様化にともなう配置上の一つの問題点があらわれている。


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