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2部   科学技術人材
第7章  人材需給の推移
2  科学技術者の就業構造
(1)  科学技術者の概念


現在までの各種の調査では,「科学技術者」という用語の統一的な定義はないが,科学技術者と考えられるものは次のように定義されている。

1.昭和35年国勢調査においては,技術者とは,「専門的,科学的知識と手段を生産に応用し,生産における企画管理研究等の科学的技術的な業務に従事しているもので,大学等で自然科学に関する専門的分野の訓練,またはそれと同程度以上の知識と実際的経験を必要とする。」としている。 また,研究者とは,「試験場,研究所等の試験研究施設において,研究的業務に従事するもの」を指している。
2.次に,昭和27年以降実施されている総理府統計,「科学技術研究調査」(昭和39年)では,研究関係従業者については,これを研究者,研究補助者,技術関係者,事務その他関係者に分類し,研究者については,大学卒またはこれと同等以上の専門的知識を有し,さらに2年以上の研究業務の経験をもちかつ固有のテーマをもつて研究を行なつているものと規定している。(ただし,人文,自然の両者を含む。)
3.昭和36年3月文部省が行なつた「職場における学歴構成調査」においては,技術者,研究的職務従事者(人文を含む)その他専門的技術的職業従事者に分類している。その定義は前記とほぼ類似しており,全般的に学歴としては大学程度のものを要求し,技術者の職務内容は,直接生産工程にたずさわることをせず,生産活動・生産目的を助長するような技術的職務に従事することが必要であるとしている。また,研究的職務従事者については,勤務場所および職務内容は,ほぼ,前二者に類似している。その他専門的技術的職業従事者には,医師等を含んでいる。

以上のほか,通産省,科学技術庁,日経連等において行なつた調査でもまず学歴について規定し,ついでその職務内容について明示している。

これらの諸定義においては,その規定の内容に精粗はあるにしても,基準としているものは,学歴,勤務場所職務内容等,ほぼ類似したものであり,概念は大体同じように見うけられる。しかし,実際の調査結果をみると,i.国勢調査(35年10月):技術者306,200人,科学研究者(人文系を含む)33,300人,2.科学技術研究調査(35年4月):自然科学研究者82,149人,3.文部省調査(34年6月):技術者625,3000人,研究的職務従事者(含人文)162,200人。4.日経連調査(35年推計):科学技術者1,106,000人等,となつており,その調査目的,方法,時点等の相違によつて,かなりの差異が認められる。

世界的にみても,科学技術者の定義に一定のものがなく,アメリカのNSF,OECD,等の規定でも,一応専門的知識水準(学歴)および職務内容について大きく規定してあるだけで,後は現場における判断にまかされているようである。

しかし,いずれにしても,今後の科学技術はその水準をますます高めて行くことは明らかであり,それにともなつて科学技術者の資質もより高度の水準を必要とすることになるであろう。すでに,一部の産業界においては,大学院卒業者に対する需要が急速に増大しつつあるが,つねに新しい科学技術の発展に対処しうる基礎能力を充分身につけた大学理工系卒業者に対する期待は,非常に高いものがある。

したがつて,本章においては,高等教育機関の理科系卒業者を中心に科学技術人材について考察を進めて行く。


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