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1部  研究活動と研究投資
第6章  諸外国の動向
6  その他の諸国
(5)  スペイン


スペインはヨーロツパの典型的な農業国といえよう。国民総生産への鉱工業への寄与は約25%,農業のそれは27%であり,労働人口も製造業21.9%,農林水産業41.3%という構成となり,1人当り所得ではヨーロツパ中最も低い水準にある。

スペイン政府は,工業化の立ち遅れのなかで,経済・社会開発計画を1964年から開始し,水利公共事業,灌概,農業改良等とともに工業開発を主要目標の一つにあげている。

科学技術行政の最高機関は1963年に設置された科学政策代表委員会である。元首を議長とし,副元首および関係閣僚をもつて構成されており,各省科学政策の調整と総合的計画を作成し,とくに予算の配分決定を重要な機能としている。事務局として科学技術研究諮問委員会が設置されている。

政府の研究機関は核エネルギー委員会,国立航空研究所,国立工業研究所,国立農業研究所,公共事業研究センター,林業研究実験所,スペイン地質鉱山研究所が主なものである。このうち工業研究所は,私企業が関心を持たない分野の工業化を助けるために設立されたもので,いくつかのセンターを持つて研究を行なつている。

しかし,主要な研究活動は,文部省管下の高等科学研究会議によつて実施されている。同会議の設立は,フランコ政権の確立した1939年で,アカデミーおよび大学,神学界,産業界その他の代表をもつて構成されている。同会議はとくに民間産業における研究の振興に努め,共同研究を奨励しているが,同時に人文系を含む8部門に所属する研究機関によつて研究を実施し,この国の研究推進主体となつている。

産業界の研究活動にはみるべきものがなく,国全体の研究投資も極めて低く,政府支出が85%を占めている。製造業においてはもつぱら外国技術に依存しており,わずかに少数大企業が研究所を持つにすぎないが,近年共同研究の動きがしだいに高まりつつあり,1961年以降9つの研究組合が,木材,紙,食品関係,造船その他の分野で設立されている。設立に要する費用は政府,加盟企業の析半負担である。また,各企業による研究委託が高等科学研究会議研究所にたいして行なわれている。


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