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1部  研究活動と研究投資
第6章  諸外国の動向
6  その他の諸国
(2)  オランダ


オランダの工業国としての地位は,少数の国際的大企業に支えられているといわれ,研究開発活動においてもこれが支配的な部分を占めている。

政府の科学技術政策は,したがつて,大学を中心とする基礎研究と,中小企業を主たる対象とする応用研究に集中されている。

行政体制としては,王立科学アカデミーが,政府の最高の科学技術政策の諮問機関であり,同時にまたいくつかの研究所を所管している。財政は1963年において約400万ギルダー(約400億円)が予算計上されている。

実行機関は応用科学研究機構(TNO)が応用研究にたいする国家の政策を実施している。同機構は第一次大戦後産業技術振興への要諸に応えるため,教育・学芸省により設立されたものであるが,政府から独立した特殊法人に類する機関として独特の形態をとつている。工業研究,栄養・食糧研究,国防研究,保健研究の4研究機構を,政府各省,学界,経済界代表より成る中央機構が統括・調整する構成である。財政は政府が約75%を支出し,残余はほぼすべて中小企業により賄われている。1963年の予算は約7,000万ギルダー(約70億円,資本支出を含む)であり,うち政府支出は5,600万ギルダー(約56億円)である。

基礎研究については大学財政をほぼ完全に国が賄つており,とくに基礎科学研究機構(ZWO)が,この分野の振興機関として補助金交付を専門に行なつている。

原子力に関しては原子力科学会議が諮問ならびに政策策定機関である。

以上4機関が国家の科学行政機構の骨格であるが,この他道路研究所,水浄化研究所,航空研究所等の国立研究所がある。

しかし,オランダの研究活動は, 第6-15表 からわかるように産業界が主要な役割を果たしている。

国内で行なわれる研究の資金源構成は,政府支出約30%にたいし産業界約70%(約1億6,000万ギルダー約160億円にたいし3億7,330万ギルダー約373億3,000万円)である。

しかし政府支出分が小さいのは,国防,原子力,宇宙の国家計画が非常に小規模なためである。

国防研究は2%程度と推定される。

第6-15表 オランダ国内で行 なわれる研究開発,

産業界研究の約70%はフィリップス,ロイヤル・ダッチ・シエル等の小数大企業が行なうといわれるが,政府は企業による研究にたいして特別の税制措置はとつていない。中小企業の研究振興方策は共同研究組合の育成であつて,皮革,繊維,家具,染料等の分野に結成されている。これはほとんどが研究機関を持たず,応用科学研究機構へ研究を委託している。これにたいしては経済省が助成金を出し,その総額は1962年で約2〜300万ギルダー(約2〜3億円)とみられる。またオランダ産業は大学とくに工科大学と密接な関係をもち,多くの場合産業界の研究所長は教授であるという異例の状況がみられる。


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