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1部  研究活動と研究投資
第6章  諸外国の動向
4  西ドイツ
(2)  研究費の動向


西ドイツの研究投資は,1964年においては78億6,200万マルク(7,015億8,000万円)であり,国民総生産にたいする比率では2%に達していない。科学研究省第1回研究報告書によれば,同比率3%を到達すべき目標としてあげている。

1956年以降の研究費の推移は 第6-12表 のとおりであるが,ここから直ちにわかることは,連邦政府支出分の比率が低いことである。連邦,州,産業界は,'64年において2:3:3の割合である。アメリカ,イギリス,フランスでは政府資金が全研究開発費の3分の2を超えるのに比べ,州の支出を加えてもこれを下まわつている。

連邦支出は1956年の1割未満(8%)からしだいに増加の歩を速めてはいるが,'64年でもなお4分の1をわずかに上まわる(26%)にすぎない。

これは国防研究への支出に大きな関係があるとみられる。先進諸国とくにアメリカでは,国防省の研究開発支出に原子力委員会その他の省庁の国防関係支出を加えると,国全体の研究開発費の半ば以上を国家の国防関係研究開発で占めるとみられる。イギリスもまた下降しつつあるとはいえ,同様に国防関係に大きな比重があり,フランスもまたそうである。 第6-13表 によつて連邦政府の研究開発支出をみると,国防研究開発はうち約3分の1を占めるにすぎない。連邦は国立の国防研究機関を持たないので,外部へ委託されるが,大学へ委託されたものについては,通常の研究同様に成果の公表が認められている。

第6-12表 西ドイツにおける研究費の推移,財源別,1596〜'64年

先進諸国において国防に次ぐ比重を占める宇宙研究は, ドイツにおいては,1962年から開始され,欧州宇宙研究機関(ESRO),ロケット開発機構(ELDO)への加盟にともない,漸次比重を大きくしてきた。原子力研究開発では,原子力発電施設の新設を中心とする伸びがとくに注目される。一般科学の振興については,大学の振興にたいする政府支出の増大が著しい。

1964年の連邦・州間行政協定により,連邦と各州は'64年から'66年まで毎年大学の拡充に対しておのおの2億5,000万マルク(225億円)の支出を決定したが,'65年度はとくに協定を上まわる予算を計上した点が注目される。 大学の新設についてはまだ協定が結ばれていないか,連邦は50%まで経費負担の意志を明らかにしている。

第6-13表 ドイツ連邦政府の研究開発支出

産業界の支出は'64年で28億マルク(2,520億円)と推計され,国全体の研究開発投資の約36%を占める。私企業による研究投資の総額は'56年以降3.5倍に近い額となつているが,うち最も研究開発支出の大きい産業は,化学工業と電気機器工業である。1963年ではそれぞれ8億4,000万マルク(756億円),8億6,000万マルク(774億円,精密機械,理科学器械を含む)と両者で3分の2以上を占めている。

これに次ぐものは,鉄鋼,機械および車輌工業で,4億9,000万マルク(441億円),その他一次金属1億7,000万マルク(153億円),皮革・繊維4,700万マルク(42億3,000万円),土・石・ガラス2,000万マルク(18億円),紙・パルプ1,400万マルク(12億6,000万円)などである。

第6-4図 ドイツの科学技術行政機構


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