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1部  研究活動と研究投資
第5章  技術の交流
3  特許と技術交流


技術開発のなかにおける特許の位置は重要である。すなわち特許制度は新規の工業的発明をなしたものに, 一定期間その発明について独占権を与えることによつて,発明を奨励し,他方その独占権の代償として発明の内容を公開し,全体の技術水準を向上させることを目的としている。

このような意味で技術開発の基礎としての特許制度は,すでに80年の長きにわたつて存続し,わが国産業界の発達に大きな貢献をなしてきた。

企業は,特許を新製品・新技術分野における独占的地位確保の手段としたり,また後に述べるように,特許実施権を商品化して収入をうることができる。したがつて技術開発に企業が力を入れることになり,企業発明の時代といわれるのは当然である。

もちろん,発明が創造的な仕事である以上,一人のすぐれた能力者が,大きな開発をする場合も考えられるが,ナイロンに研究期間12年,研究投資2,700万ドル,デルリンに同10年,同5,000万ドルがかけられているように,新製品の開発には巨額の投資と長期間の研究を必要としている。こうした傾向は,今後も続くものと思われ,したがつて現今では大企業でなければ大きな開発は困難となつてきている。

このように企業経営における研究開発意欲が向上し,特許の位置が高まるにつれ,特許に関する企業間の競争も激しくなり,つねに他社の特許動向に注意しなければならない。そこで,最近における特許出願増加の一因が,防衛特許(実用化を前提とせず,同じ特許を他にとられないことを目的とするもの),および商品特許(自己による実施を目的とせず,実施権を商品とするもの)的なものの増加にあるといわれるようになる。


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