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1部  研究活動と研究投資
第5章  技術の交流
2  技術輸出の現状
(1)  技術輸出の動向


絶対額においては少いといえ最近における技術輸出の伸びは著しい。 第5-6図 にみられるように,科学技術庁調査による昭和25年度から38年12月までの全輸出件数の60%は35年以降に輸出されたものであり,また対価受取額についても 第5-5図 をみれば,35年以降飛躍的な伸びを示している。このような技術輸出の増勢は研究投資の成果の現われであり,また国際環境の変化すなわち国際交流の活発化,低開発国の経済開発に対する積極化等がその背景となつているとも考えられる。

まず昭和25年度から38年12月までに輸出された総件数について技術部門別にみると,化学工業における73件を筆頭に,電気機械製造の69件,建設業の41件,採鉱冶金の21件等が主なもので,これ等合計204件で総件数の70%を占めている。これを技術導入の場合と比べてみると建設,採鉱冶金等の部門が多いのがめだつている。

このような技術輸出の特徴は, 付表3-3 の相手国別輸出技術別件数から明らである。すなわち建設の41件の相手地域は,アジアが29件,中近東が5件,南アメリカが4件,また探鉱冶金21件についてはアジアが17件,南アメリカが3件とこれら業種の技術輸出のほとんどすべてがアジアを主体とする低開発国向けであり,このことは化学工業および電気機械等の技術革新の著しい分野,およびわが国が先進的といえる紡績業を除いたほとんど全ての産業についていえることである。

技術輸出件数の76%を占める低開発国向けのものの内容をみると,先進地域に対するものが,特許実施権の許諾を中心とする技術輸出であるのに対し,低開発地域に対するものは,工場設備および施設の建設,あるいは鉱山の開発からそれに付随する施設等であり,プラント輸出的なものが,その大部分を占めている。しかしながら 第5-6図 にみられるように,最近の技術輸出の増加にともない,先進地域への技術輸出が大幅な増加を示していることはよろこばしい傾向である。すなわち先進地域への輸出件数70件のうち51件は昭和34〜38年度の5年間に行なわれたものである。

また,部門別にみても, 付表3-3 にみられるように,化学の73件中ヨーロツパヘ26件,アメリカヘ4件,電気機械のアメリカヘ6件,ヨーロツパへ4件等,技術革新分野が主体を占めている。このことは戦後先進国よりの技術導入により発展し,先進諸国に追いつくことを目途としていたわが国における研究開発の成果が,ようやく技術輸出の面で実を結んできたものと考えられるであろう。

第5-6図 相手地域別技術輸出件数推移

すなわち,最近における技術料支払額に対する受取額比率は,日銀の為替統計によつてみると,昭和35,36年度の2.5%程度から37,38年度は4.1%台,さらに39年度には5.1%(28.4億円)へとその増加率においてはめざましいものがある。

さらに40年1月から6月までの半年間において行なわれた主な技術輸出について,引き合いのあつたもの,話し合い中のもの,契約成立をみたもの等を合わせると,製造工業についてだけでも70件を越しており,これにその性質上技術指導も含むと考えられるプラント輸出,ノックダウン輸出,さらに農林水産業,鉱業,建設業,公益通信業等の分を加えれば相当な数になると考えられる。また上記製造業における70件のうち,先進国とみなされる国々に対するものは約30件を数えていることからもわが国の技術水準の急速な高まりとそれに対する諸外国の評価が高まつてきたことが類推できる。


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