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1部  研究活動と研究投資
第5章  技術の交流
1  技術導入の現状
(5)  技術導入と研究投資


わが国の技術革新が,旺盛な技術導入を主体として発展してきたことについては,前にも述べたとおりであり,したがつて企業における研究開発に対する技術導入の影響をみのがすことはできない。すなわち,一般的にいつて導入技術を評価する上にも,また導入技術を消化吸収し,その効果をあげる上にも,さらに導入条件を交渉する上にも,相応に自己研究による技術的水準を高めておく必要があつた。また一方では,本格的な開放体制を迎え,企業の国際競争力強化が叫ばれる今日,研究開発の重要性の認識は高まり,最近における企業の研究投資の伸びは著しいものがある。すなわち,従来の導入技術の消化吸収,応用,改良研究等から,新たな国産技術開発への企業の真剣な努力がうかがわれる。

ここで研究投資と海外技術利用費の動向をみると,大勢として,研究投資の伸びは著しく,海外技術利用費の伸びを上まわつており, 第5-3図 にみるように,研究投資を100とした場合,海外技術利用費の比率は年々減少している。この傾向は,総理府統計局による調査 注) にも現われ,自然科学部門における,会社等の使用研究費の増加率は 第5-4図 にみられるように若干ではあるが技術導入に対する支払の伸び率を上まわつている。しかし,38年度における導入件数の急増と技術料支払い開始の時期とを考えれば,今後技術導入の対価支払いの急増が予想され,上にのべた傾向が今後も継続するものとは必ずしも考えられない。

次に研究費支出額の昭和34〜38年度の累計と導入件数についてみよう。

科学技術研究調査においては,集計の際に企業の主体業種別に分類しているので,導入件数についても,25〜37年度における甲乙両種,4,272件について導入企業の主体業種に分類すると 第5-2表 のとおりである。

すなわち,わが国における産業構造が,重化学工業の比重が大きく,しかも産業構造の高度化が進んでいる今日,この方面の研究投資額が大きく,また世界的な技術革新,産業の重化学工業化に遅れをとらないためにも,この方面の技術導入が多くなつている。


注)「科学技術研究調査」

第5-3図 研究投資を100とした場合の海外技術利用費の比率

第5-4図 自然科学部門における研究投資と技術料支払額の推移および民間企業の研究投資100とした場合の技術料支払比率

また, 第5-2表 のそれぞれの構成比をみると電気機械製造業においては研究投資の割に技術導入は少ない。化学工業については,研究投資,導入件数の双方に大きな構成比を持ち,本業種における最近の発展に対して企業が非常に積極的であることを示している。また繊維,精密機械工業においては導入件数構成比の方が少なく,本業種におけるわが国の先進的立場を物語つているが,鉄鋼,非鉄金属,窯業,石油・石岩製品の業種においては,いずれも導入件数の構成比は研究費支出額構成比の約2倍を示している。

第5-2表 技術導入件数と研究費支出額


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