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1部  研究活動と研究投資
第5章  技術の交流
1  技術導入の現状
(4)  契約条件


このような技術導入件数の増加にともない,その契約条件はどのような傾向を示しているであろうか。 第5-1表 は38,39年度における導入条件について分類 2) したものである。まず,契約期間について昭和36年に行なつた通産省の調査結果 3) と比較すると,5年未満のものの増加,15年以上のものの減少と全体として契約期間は短縮の傾向にあるといえる。これを比較的導入件数の多い業種について比較すれば 第5-2図 の通りである。


注1)資本の限界生産性=生産能力増加分/設備増加分


2)業種別については巻末付表3-4,3-5参照


3)通産省企業局「外国技術導入の現状と問題点」(昭和37年8月)

第5-1表 昭和38および39年度における契約条件



第5-2図 主要業種別契約期間別

このことは最近における技術進歩の速さ,商品のライフサイクルの短縮化等の影響によるものと考えられる。

次に対価支払条件では,導入技術水準の高低以外に,一般的には大量生産品か非量産品か,または特許権契約かノウハウや設計がともなつているか,イニシャル対価 1) やミニマム条項 2) が附随しているか等に左右される場合が多く,一概に論ずることはできないが,イニシャル対価の附随したものについては,第5-1表にみるように昭和38年度は全体の48%,39年度は46.6%といずれも 通産省の調査3 )による39.4%を大幅に上まわつている。業種別には, 巻末付表3-1 および 3-2 にみるように,電気機械をはじめ機械,化学と重化学工業の主体をなす業種がいずれも平均を上まわつている。ミニマム条項が附随したものの全体に対する割合は通産省調査時点における28.4%から38年度の16.1%,39年度の14.8%と改善されている。しかし業種別にみると,機械のように,なお相当数にミニマム条項がついているものもみられる。

次にロイヤルテイの比率では 第5-1表 における「その他」の項を除いてみると,4%をこえ5%以下のものが38年度142件(32.2%),39年度110件(32%),さらに5%をこえるものが38年度123件(28%),39年度54件(15.7%)をそれぞれ占めており,かなり高額なロイヤルテイを支払うことになるといえよう。これを業種別にみれば,化学工業等の量産品については,一般にロイヤルテイは低く,機械工業等の非量産品とみられるものについては,5%以上の高率となつている。これは電気機械についてもいえることで,テレビ,ラジオ等消費財的な量産品のロイヤルテイは低い。


注)1)頭金又は契約金


2)最低保証金企


3)通産省企業局資料「技術導入の現状と問題点」

次に技術導入の形態面からその傾向をみると,最近海外企業はわが国の高度成長,およびわが国の市場またはわが国を足場として東南アジア市場開拓等に着目し,ロイヤルテイベースの単純な技術提供から,その提供の対価として,資本参加や合弁形態を要求する傾向が増加していることは注目すべきであろう。

すなわち, 経営参加的株式取得の認可件数1 は,昭和36年度の41件,37年度の43件から,38年度には92件と一挙に前年の2倍以上に達し,さらに39年度にはいつてもその増加傾向はゆるまず,125件の多きを数えている。 通産省の調査2 によれば,合弁会社104社における設立当時の出資金361憶5,400万円のうち,45%が外国側出資であり,その53.5%が技術による出資であつた。これに対し日本側55%の出資のうち,技術による出資はわずか0.97%の1億9,400万円であつた。このように外国側出資の技術比重は高く,経営参加的株式取得認可をみても38年度の92件中30件,39年度125件中44件とそれぞれ約3分の1にあたるものが技術導入をともなうものであつた。

また上記調査によれば,合弁会社設立および外資導入の動機として,回答企業145社中47.5%にあたる69社が,技術導入の条件として株式譲渡の請求があつたことをあげている。

このような状態でわが国企業に対する外国企業の経営参加的出資は今後ますます増加するであろうが,技術開発の面からみると,基礎研究は本国における親会社で行ない,応用・改良研究は出先の合弁会社で行なうといつた体制が多く,このような体制が普遍化された場合わが国科学技術の自主性がそこなわれ,技術的従属からの脱却が困難になりかねないという大きな問題が考えられる。


注)1) 技術導入を伴なわないもの,および既設合弁会社,円ベース会社の増資等を含む。


2) 通産省企業局「合弁会社等に関する調査報告」 (昭和39年1月)


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