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1部  研究活動と研究投資
第4章  研究投資
2  民間企業の研究費
(3)  研究費の構成


研究費の構成を費目別にみると同時に,産業別および資本金規模別に,年々の推移も合わせて眺めてみよう。

支出額でみた研究費の年々の増加は,昭和34年度から36年度までは30%を越え,めざましいものがあつた。しかし昭和37年度には一挙に9.5%と低くなり,38年度は15.6%とやや上向きとなつたものの,今後30%以上の増加を望むことはかなりむずかしいと思われる。

費目別にみた構成比は,昭和34年度〜36年度では人件費が全体 のほぼ3分の1,固定資産の購入額が同じく全体の3分の1,消耗資材費とその他の経費を合わせたものが,残りの3分の1であつた。それが昭和37年度には固定資産の購入額が減少し,38年度には横這いであつたため,構成比も変化し,38年度では固定資産の購入額は全体の4分の1の25%に減少した。相対的に他のものの構成比が増し,とくに人件費は39%を占めるに至つた。

第4-9図 産業別研究費(費用額) の売上高比率の推移

費用額での対前年度増加率は,昭和35年度27%,以後31%,22%,20%となつており,同じ年度での支出額の増加率に比べると,37年度以後は費用額の増加率の方が上まわつている。これは支出額が固定資産の購入額の減少の影響を受けたのに対し,費用額は減価償却費の増加の影響を受けたととが大きな原因である。

第4-16表 「会社等」の費目別研究費(支出額)の対前年度増加率の推移 (単位 %)

費目別に対前年度増加率をみると第4-16表のように,人件費が年々平均した増加を示している。これは研究関係従業者数の増と,給与水準の上昇によるものであるが,構成比の増加と合わせて,全体の研究費の増をリードする形になつており,とくに昭和37年度,38年度において著しい。

固定資産の購入額は,非常に特長的な変化を示しており,昭和35年度,36年度に大きく増加し,以後大幅に減つている。このことは土地,建物だけをとり出してみると一層はつきりしている。

減価償却費の対前年度増加率は,昭和35年度以降,94%,26%,27%,20%となつており,38年度では235億円に達し,固定資産の購入額508億円の半分に近い額となつている。

総体的に眺めると,研究関係設備投資の一巡から人材の充実に向い,人件費先導型の研究投資になつているといえよう。

次に産業別に構成と推移をみれば,まず「会社等」の中では製造業の占める割合が大きく,毎年全体の90%以上を確保している。これは一面,これまでの技術進歩が主として製造業を中心に行なわれたことを示していると考えられる。これに反して,製造業以外の農林水産業,鉱業,建設業,運輸通信公益業等においては,研究費が非常に少ない。この理由の一つとしては,これらの産業は公共的の性格が相当あるため,国公立の研究機関で一部または大部分の研究が受け持たれていることもある。

重化学工業部門として化学,鉄鋼,一般機械,電気機械,輸送用機械をとつてみると,その研究費の全産業に占める割合は,昭和34年度67.1%であつたものが,昭和38年度には71.2%まで増大しており,研究費の面でも重化学工業化が進んでいる。

次に資本金規模別に構成と推移をみると,産業界全般に盛んな増資が行なわれており,資本金階層別に分けると,最近になるほど上位にランクされる企業数が多くなつていることもあり,また,研究規模の大型化も影響して,研究費の大企業集中の現象がみられる。 第4-17表 に示すように,資本金10億円以上の会社の全体に占める割合は,昭和35年度には64.4%であつたものが36年度には一挙に73.1%に増えており,昭和38年度では72.4%になつている。36年度の増加は,中央研究所設立ブームといわれる研究設備投資が,資本金10億円以上の会社で多く行なわれたためであるが,その後もそのままの割合を維持している。

第4-10図 「会社等」研究費(支出額)の産業別構成 -昭和38年度-

第4-17表 資本金10億円以上の会社の研究費(支出額)


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