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1部  研究活動と研究投資
第4章  研究投資
2  民間企業の研究費


わが国の研究費で特長づけられることは,その70%までが民間によつて負担されていることである。民間の負担割合を相対的に大きくしている一つの理由は,政府が支出する国防研究費の少ないことであるが,他面民間企業によつて負担されている技術導入費の多いことは,これを研究費に代替するものとみるとわが国の科学技術にとつて,民間企業の役割は一層大きなものがある。

民間企業の研究は,その大部分が新製品や新工程と結びつくようなもの,あるいは導入技術の消化・利用というようなものである。

これらの研究には,大規模な機械,器具,装置を必要とすることが多く,多額の研究費が必要となる。昭和30年頃までは,研究費の総額も少なかつたにせよ,民間企業は国全体の研究費の約半分を支出していた。その後,おし寄せる世界的な技術進歩とともに,民間企業の研究費支出は急激に増大し,それがわが国経済成長の基盤として果たした役割は,非常に大きいものがあつたといえる。

製品のライフサイクル短縮化という時代にあつて,企業は研究による新製品開発の重要性を十分認識してきた。しかし,一方企業自体の経営活動から考えると,研究成果の期待には不確定要素が多く,研究投資は経営者にとつて決断をつけにくいものであり,したがつて成果の比較的はつきりしている技術導入に向いやすく,また不況時には成果の不確定さのため,研究費は削減されやすい。

わが国の経済全体が急激な上昇傾向にあつた昭和36年度までは,民間企業の研究費も年々大きな増加を続けてきたが,その後は伸びがにぶり,研究費の売上高比率でみても頭打ちとなつている。これらのことから,民間企業の研究費の伸びは,ある限界にきているとも考えられる。このような情勢については,業種により,あるいは企業規模により,かなり様子が異なる。これらの事情について分析してみよう。

第4-14表 産業別研究を行なつている会社数(「会社等」のみ)


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