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1部  研究活動と研究投資
第4章  研究投資
1  研究費の推移と構成
(2)  研究費の構成


研究費についての統計は,組織別として,「会社等」,「研究機関」および「大学等」の三者に分類し調査している。わが国では研究を性格別に分類した調査は行なつていないが,「大学等」が主として基礎研究を,「研究機関」が主として応用研究を,「会社等」が主として開発研究を行なうものと, 一般的には考えられる。そのほか設立者別で分けた国,公,民営別分類と,理工学,農学,医学に分けた学問別分類も行なつており,また研究費(支出額)を費目別に,人件費,消耗資材費,固定資産の購入額およびその他の経費に分けている。

以上のそれぞれの分類について,あるいはその組み合わせによつて,研究費の構成の特色を抽出してみよう。

まず組織別の研究費の構成では, 第4-2図 にみられるように,「会社等」が昭和30年度までは全体の約半分であつたが,その後の増加は大きく,昭和38年度には64%を占めるに至つている。このことは一面最近の研究活動が,民間企業を中心として活発に行なわれてきたことを物語つている。

第4-2図 研究費の組織別構成比の推移

第4-3図 組織別研究活動の分担割合 -昭和38年度-

「大学等」は構成比でみると「会社等」が増えた比率分だけ,相対的に減少した恰好になつているが, 第4-2表 にみられるように,絶対額では「大学等」の増加率はそれほど低いわけではなく,「会社等」の増加率との相対差でこうなつたものである。

「研究機関」は,毎年非常に安定した増加をみせており,構成比では16〜19%の間におさまつている。

第4-2表 組織別研究費の対前年度増加率

第4-3表 研究費の費目別内訳の推移

研究費の費目別構成は, 第4-3表 からわかるように,昭和35,36度において固定資産の購入額の増加が大きく,全体の約35%を占め,民間企業においては,ちようど中央研究所設立ブームといわれていた時期に当る。これに対して,昭和37,38年度には人件費の増加が顕著で,昭和38年度では全体の42%を占めるに至り,近年のいわゆる人手不足あるいは,賃金上昇の一般動向とも見合つており, 第4-4表 にみられるように全体の研究費の増加のうち約3分の2は人件費の増加に起因している。

第4-4表 研究費の増分の費目別構成(寄与率)

これと相対的に,固定資産の購入額は昭和36年度以降ほとんど増えておらず,とくに「会社等」では昭和37年度には減少を示している( 第4-16表参照 )。その内訳をみるに,とくに減少が大きいのは土地,建物等の購入額であり,機械器具・装置等は横這いであるので,実質的な研究費の減少にはなつていないものと考えられる。

研究費の費目別構成を組織別でみると, 第4-5表 のように,「大学等」では人件費が約半分を占めており,消耗資材費とその他の経費はごくわずかである。これに反して,「会社等」では,人件費の割合が相対的に低く,消耗資材費やその他の経費の割合が比較的大きい。「研究機関」は各費目とも全体の平均に近い値を示している。

第4-5表 組織別研究費の費目別構成

-昭和38,年度-        (単位%)

次に国・公・民営別の構成をみると, 第4-6表 のとおり,国営がおよそ20%,公営がおよそ7%,民営がおよそ73%をしめており,年々それほど大きな変動はみられない。民営の73%には,組織別構成でみた「会社等」がすべて含まれるため,費目別内訳も「会社等」のそれとほぼ同じになつている。また,国営の機関では固定資産の購入額が比較的多く,公営の機関では人件費が55〜60%と非常に多く,固定資産の購入額は20%前後で非常に少ない。

第4-6表 国・公・民営別研究費の構成費の推移

第4-4図 国・公・民営別研究活動の分担割合 .-昭和38年度-

学問別の構成では,「会社等」を,農林水産業や食品工業,薬品工業に属する会社についても,農学や医学の面よりも理工学の面が強いとみて,すべて理工学部門に分類したため,昭和38年度でみると,理工学が全体の85%を占め,農学と医学はほぼ同数となつている。

理工学部門では「会社等」が約4分の3を占め,残りを「研究機関」と「大学等」がほぼ折半している。農学部門では「研究機関」が72%を占め,残り28%が「大学等」である。医学部門では「大学等」が83%を占め,残り17%が「研究機関」となつている。これを国・公・民営別にみると, 第4-7表 に示すように,理工学部門では民営の機関が多くを占め,農業部門では公営と国営の機関が全体をほぼ折半しており,医学部門では国営の機関が多くを受けもつている。

第4-7表 学問別研究費の国・公・民営別構成

学問別にみた費目別構成では,農学部門と医学部門において人件費の割合が多く,昭和38年度で両者とも 59%に及んでいる。


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