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1部  研究活動と研究投資
第3章  国際協力
5  情報交流活動
(1)  情報活動の強化


科学技術情報活動においては,情報源となる機関と情報の処理・提供機関と情報を利用する機関もしくは個人の三者間に,所要の情報が迅速かつ正確に流れることが必要であるが,このような要請に応えてわが国においても,学協会,大学,研究機関等の一次情報の提供機関が体制の整備や活動方法の改善につとめている。また,主な二次情報の作成・提供機関である公共的情報処理機関についても前述のように活動の強化が急がれている。すなわち,日本科学技術情報センターは総合センターとしての機能の充実をはかり,また総合センターと補完的関係にある専門センターやデーターセンターとして国立防災科学技術センダー等の機能の充実がはかられている。他方,国立国会図書館や技術系公共図書館なども近代的情報活動に即して機構の整備をはかり,全国的な視野での相互の協力関係の確立につとめている。なお,情報利用者の便宜に資するためのクリアリング機能の充実についても努力が重ねられている。

以上のような情勢を背景にして,昭和39年度においてとられた主な措置について述べる。

まず,国立国会図書館においては,昭和36年度を初年度とする科学技術関係資料整備3ケ年計画の完了にともない,39年度からは図書については各分野の基本参考書,重要基本文献を収集し,外国逐次刊行物1万種の内容の充実をはかり,アメリカ政府研究リポートおよび原子力関係資料の網羅的収集につとめ,さらに諸外国の主要学位論文,工業規格,航空宇宙関係資料,学協会出版物の収集等につとめることになつた。昭和39年度末における主な資料の整備状況は次の通りあでる。外国雑誌9,200種,アメリカ政府研究リポ-ト(PBリポート,ADリポート)199,500件,原子力関係資科96,800件,航空宇宙関係文献(NASAリポートその他)13,900件,RAND・リポート3,000件,学位論文17,200件,工業規格(JIS,ASA,BS,DIN等)10種などこのほか外国図書年間2,000冊をはじめ,特許抄録,学協会出版物等を入手している。これらの資料の利用には,複写によるものがもつとも多く,昭和38年度には実に106万4,000ページに達したが,今後はさらにこれを上廻るものと予想されている。

また日本科学技術情報センターは,昭和32年設立以来,毎年施設設備等の整備と活動の強化につとめてきたが,39年度には,情報の収集,整理,保管,提供等の業務の対象分野については従来の理工学系各分野に加えて,新たに生物学の分野を取り扱うことになつた。情報収集は,外国逐次刊行物4,100種(昭和38年度3,800種),国内逐次刊行物1,300種(昭和38年度1,000種)のほか,各国原子力関係資料5,700件(前年度とほぼ同数),外国特許明細書25,000件(38年度23,000件)などを収集した。これらをもとにして外国文献から20万件(前年度とほぼ受同数)の抄録と,国内文献から29,000件(38年度6,000件)の抄録をそれぞれ作成しさらに外国特許27,000件(38年度23,000件)の抄録を作成した。これらの情報の蓄積と検索は電子式情報処理機械(JEIPAC)によつて行なわれており,情報の提供は主要分野別の科学技術文献速報などの刊行物と需要者の依頼に応じて行なう複写,コンテンツシートサービス,情報の調査等の受託サービスとによつて行なわれている。なお40年度から中小企業向けに新たに中小企業海外技術情報を刊行することになつた。

以上のほか,情報活動振興の観点から,昭和39年度において,従来の文部省図書館養成所を発展的に解消し,新たに図書館短期大学が設けられることになつた。また,39年度特別研究として工業技術院電気試験所において情報処理技術に関する研究が推進された。

以上のように諸施策が講ぜられ諸種の改善がみられるが,わが国の科学技術に関する公共的情報機関は一部を除き一般的にはまだまだ弱体であるといわれており,今後は科学技術普及のための地域的連けい組織などを含めて情報における協力組織の整備が必要とされている。さらに,情報専門家の養成とか新しい情報処理技術の開発の推進なども今後の重要な課題である。


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