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1部  研究活動と研究投資
第3章  国際協力
3  日米科学技術協力
(2)  日米天然資源開発利用会議


1964年1月の日米貿易経済合同委員会で,人的およぴ天然資源に関し,技術者と技術情報を日米両国間で交換し,応用科学面で両国政府の協力を強化する提案がなされた。これがきつかけとなり,同年5月,東京で第1回日米政府代表者会議が開催された。その結果,両国相互の利益に貢献する研究課題が選ばれ,それらの研究の進展をはかるため,日米相互の密接な連絡協力を行なうことが合意された。

その際に採択された7つの研究項目は,1)塩水転換技術および副産物の利用,2)大気汚染,3)水質汚濁,4)新エネルギーの開発,5)牧草類の種子生産技術,6)貯水池および水田の蒸発防止,7)ボツリヌスその他の有毒性微生物に関する研究である。それぞれの研究課題に応じて,7つの専門部会が両国に設置され,作業活動が開始された。

1965年6月,第2回会合がワシントンで開催され,過去1年間の活動状況が報告され,今後の方針などが検討された。第2回会合において新たに,1)国立公園の管理問題,2)家畜および家畜家禽のマイコプラズマ病(一種の微生物による病気)に関する研究の2項目が追加された。

なお,この会議における応用科学的性格の強い協力活動と日米科学委員会の純粋科学的性格の強い協力活動とがあいまつて,科学および技術の両面にわたつて広い範囲の協力関係が実現されることになつた。

各専門部会の現在までの活動状況および新しい課題のねらいは,次の通りである。


1 塩水転換技術およびその副産物の利用

米国では早くから工業用水,飲料水の開発の面に注目して研究が行なわれてきたが,日本でも工業用水の急激な需要増大にともない,海水の淡水化の研究がとりあげられおり相互に研究成果の交換,研究の現状の紹介などを行なつている。


2 大気汚染

大気汚染の機構,大気汚染の人体,植物等に及ばす影響,汚染の測定の装置と方法,工場排気汚染,自動車排気汚染,等々に関する資料の交換と共同研究の開始について検討がすすめられている。


3 水質汚濁

経済的な廃水処理方法に関する技術的な資料および水質汚濁防止に関する行政的な措置に関する資料の入手,ならびにバクテリア等を利用して行なう廃水処理技術に関する資料の提供などを行なつている。


4 新エネルギーの開発

太陽熱利用,地熱利用,超高圧送電技術,MHD発電(電磁流体発電),LMG(液化メタンガス)利用の5つの副専門部会を設けて研究をすすめている。


5 牧草種子生産技術

日本で育成された牧草新品種を供試材料として,米国の西部で種子生産を行ない,その種子について性質,能力を共同で検討している。


6 貯水池および水田の蒸発防止

日本では主として水田の蒸発を防止し,冷害を防ぐために,独自の蒸発抑制剤を水田表面に流して単分子皮膜をはる研究が行なわれており,米国では貯水池の蒸発防止の点からこの分野での共同研究を期待している。


7 ボツリヌスその他有毒微生物に関する研究

かんづめ用の肉および家畜の飼料などに関する研究で,両国共通の利益がえられるものとして研究が推進されている。


8 国立公園管理問題

この課題はアメリカ側から提案されたものであるが,わが国の進んだ国立公園管理運営技術をアメリカに紹介するとともに,わが国の必要とする管理運営方法等に関する情報の入手等に資することをおもなねらいとしている。


9 家畜および家禽のマイコプラズマ病

最近わが国の食生活が変化しつつあり,アメリカの鶏肉などの輸入が盛んになつたが,鶏,豚などにおこるマイコプラズマ病を両国がいかに処理しているかを研究し,両国間の貿易に支障を及ぼさないようにしようとしている。


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