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1部  研究活動と研究投資
第3章  国際協力
1  国際共同研究
(5)  国際インド洋調査(InternationalIndianOceanExpedition:IIOE)


国際インド洋調査は,国際学術連合会議(ICSU)海洋学特別委員会(SCO R)の1958年9月の第1回会議において提案された。

インド洋は学問的にみてもつとも未知の海域であり,季節風の交代に応じて海流が逆転するという海流の激変があること,未知のきわめて豊富な潜在資源が予想されることなどから,国際共同調査によつてこれらの謎を解こうというのがこの計画である。

実施期間は1961年(昭和36年)〜1965年(昭和40年)ときまり,参加国はアメリカ,ソ連,イギリス,オーストラリア,日本,フランス,西ドイツ,インド,パキスタン,インドネシア,南ア連邦,東アフリカ,ポルトガル,オランダ等数十カ国である。調査しようというインド洋の学術的問題点は,1)海流と生産の季節的変化,2)インド洋の海底構造と漁業生産力,3)新生産力地図の作成,4)インド洋水質の分析調査,5)赤道潜流その他海流の実測確証,6)インド洋の海上と高層の気象などである。

わが国には,1959年の第1回国際海洋学会議で,その計画の概要が紹介され,1960年7月,SCORの開催した国際会議(海洋学研究政府間会議)にはわが国からも代表が出席した。そして日本学術会議に設けられた国際インド洋調査常置小委員会のIIOE日本参加予備調査案が,測地学審議会に設けられた国際インド洋調査小委員会に提出された。

日本学術会議の国際インド洋調査常置小委員会は測深,地質,地理,地球物理,海洋物理,気象,海洋化学,海洋生物,生産力,水産海洋,調査データ,機関(船)の作業委員会を設け,これら作業グループは昭和36年度以来,調査研究の準備と実施促進にあたつている。

調査船は,昭和37,38年度に海鷹丸,耕洋丸,昭和38年度に,かごしま丸,おしよろ丸(いずれも大学の水産研究練習船)で,作業グループのメンバーは各大学,気象庁,海上保安庁水路部,水産庁の関係研究者である。

調査項目の主なものは,次のようになつている。

1.測深 精密測深機による音響測深の連続自動記録
2.地質 底質採集,ピストンコアラー,ドレッジによる採集
3.地球物理  プロトン磁力計による連続地磁気測定記録,海上重力測定,熱流測定,自然地震の観測
4.海洋物理  表層海洋観測,表層水温自記記録,BT観測,各層観測,水色透明度測定,赤道海流測定,海流瓶放流実験
5.気象 表面気象観測,高層気象観測,(ラジオゾンデ,パイバル),大気海洋熱交換観測
6.海洋化学  Cl,O2 ,pH,P,ΣP,Si,NO3 ,CO2 ,Sr90 ,Cs1 37 ,C14 ,H3 ,Ra,Th,稀土類,有機物,海水放射能分析
7.海洋生物  プランクトン,基礎生産目視観測,C14 基礎生産力,葉緑素測定,微生物学的観測,プランクトン採集
8.水産海洋  鮪延縄,オッタートロールによる試験漁業調査,漁場環境各層観測測流,魚探映像,目視観測,漁獲物生物学的調査,標識放流

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