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1部  研究活動と研究投資
第2章  総合分野における研究
8  海洋
(1)  特定海域の総合海洋調査


特定の海域に対してプロジェクトを設定し,水産生物,海象,気象などの調査研究を同時に総合的に行ない,各種の観測結果を照合,解析することにより,その海域の諸現象を解明しようとするもので,現在では,黒潮流域および瀬戸内海などの沿岸特定海湾を対象として調査が進められている。

黒潮流域については,昭和38年度に異常冷水塊の観測が行なわれたのに続いて,その流域変動と水産資源の分布の消長の観測が行なわれている。また,昭和40年度からは,ユネスコ政府間海洋学委員会が主体となつて実施している黒潮に関する国際共同観測に積極的に参加し,文部・農林・運輸各省が総合調査研究を行なつている。

沿岸特定海湾の調査は,昭和39年度から総合的な推進が開始された。沿岸浅海における水産物の集約的生産技術は,近年著しい発展をとげつつあるが,それにともなつて,沖合の場合とは異質なミクロな調査が要求されるようになつてきた。この種海域における海象は,海流,陸岸地形,海底の形状に支配されるのみならず,潮汐,陸水の流入などの影響も加わつてきわめて複雑であり,時間的,空間的に連続する変化を示している。このような環境に適した調査方法はまつたく未開発なので,現在のところでは,まず沿岸水の陸水,外洋水との交換機構を観測するための新しい機器の試作研究が実施されており,40年度からはこれらの機器の実施試用が開始された。

また,これらと並んで,大陸棚調査のための機器の開発が行なわれている。

大陸棚の利用には,その地形・地質の総合的な調査研究が不可欠の条件である。諸外国においては,すでに超音波などを利用した調査測定機器の積極的な開発・利用が行なわれているが,わが国におけるこの分野の開発は著しくおくれている。このような状況に対して,39年から始まる3カ年計画によつて,新しい調査機器の試作およびこれによる総合調査研究が推進されている。


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