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1部  研究活動と研究投資
第2章  総合分野における研究
6  食品保存


最近の生活水準の向上と,人口の都市集中による食習慣の変革とは,わが国の食料消費パターンに急速な変化をもたらしつつあり,良質蛋白,ビタミンなどに富む,いわゆる高位保全食品(牛乳,乳製品,肉,卵,果実,野菜など)に対する需要が著しく増大し,加工食品の比率が高まつてきている。

高位食品は,一般に水分が多く,変質しやすいので,その円滑な供給のためには,流通過程とそれに密着した保存加工技術との開発が急務である。食品の保存には,低温,乾燥およびこの両者に関連した包装の三つの技術が主要な役割を演じ,殺菌技術,添加剤などが補助的な働らきをすると考えられる。

乾燥技術の発展が,これを基盤とするインスタント食品の急速な普及をもたらしたことはよく知られており,最近では,真空凍結乾燥などによる,高度の品質保全技術も研究がすすめられている。

これに対して,低温技術の開発・普及は,わが国においては,比較的おくれており,生産地から家庭までを一貫する低温流通機構の確立を阻害する大きな要因の一つになつている。

わが国においては,果実,野菜のほとんどは常温下で流通過程に乗せられており,その推定損失は,それぞれ37%,17%に達している。(農林省,食料需給表,昭和38年)こうした現状に対し,資源調査会は,昭和40年1月,食料流通体系の近代化に関する勧告の中で食品の保持時間と保持温度との関連を考慮した低温流通機構(コールドチェ-ン)の急速な整備の必要性を強調し,目下その具体化について関係各省庁間の協議が進められている。

低温流通機構の整備にあたつては,冷蔵,冷凍設備および冷凍輸送機関の拡充,技術開発を必要とし,さらに,殺菌,包装技術の進歩が密接な関連を有している。


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