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1部  研究活動と研究投資
第2章  総合分野における研究
4  エレクトロニクス
(1)  エレクトロニクスについて


今日,エレクトロニクスという言葉はほとんど至る所で使われ,われわれの日常生活の中にも深く浸透している。以前は,エレクトロニクスといえば,おもに真空管に関する技術,すなわち真空や気体の中の電子の運動を利用する技術であつたが,トランジスタなどの登場により,固体内の電子現象を使ういわゆる固体エレクトロニクスが盛んとない,現在では,むしろ固体エレクトロニクスがエレクトロニクスの本命とみられるようにすらなつてきた。

そして今日のエレクトロニクス研究の特長は,基礎科学との密接なつながりにある。トランジスタの発明が,固体の表面準位という物性の基礎的問題のいわば副産物であつたように,最近のパラメトロンにせよ,メーザーにせよ,原理は予見され,やがてその応用が考えられ開発されたものがきわめて多い,このように原理,理論的な方法論,物質の基礎的性質の解明を基にして,エレクトロニクスはその発展をみたのである。

エレクトロニクスの分野は多岐にわたり,それぞれの分野で目覚ましい進展を示しており,例えば,半導体トランジスタでは高信頼度で劣化の少ないプレーナ・トランジタの発明(1960年)や,電界効果トランジスタの最近の発展,またゲルマニウムトランジスタからシリコントランジスタへの移行の傾向,あるいは超小型回路の本命といわれる,いわゆる固体回路の出現等があり,これらは半導体工業,ひろくいつて電子工業に相当の変革を及ぼすことが予想されている。また量子エレクトロニクスの発展によるメーザーやレーザーの出現は,通信,測定等のほか,予想を許さぬ広い応用が期待されている。ここではエレクトロニクスの一つの中心問題である電子計算機をとりあげることにする。

エレクトロニクスの機能は,信号の処理とエネルギー変換にあるといつてよい。そして,その中心はコントロールにあるという観点に立てば,それは広い意味の電子頭脳であり,その中心は電子計算機である。電子計算機には,デイジタル型汎用計算機のほかに実時間処理システム,オートメーション用の制御用電子装置,アナログ計算機等があるが,ここでは主に汎用電子計算機についてのべる。


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