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1部  研究活動と研究投資
第2章  総合分野における研究
3  直接発電
(2)  MHD発電研究の問題点


MHD発電の原理は,高温ガスプラズマが磁界を切るときに生じる起電力を利用するものであるから,まず

1. ガスの導電性が重要となる。ガスの電気伝導は温度にきわめて敏感であり,気体の温度は高いほうがよいが,種々の制約から,焼燃ガスの温度は3000゜Kどまりである。この程度の温度では十分な導電度が得られないのでセシウム,カリウム,ナトリウム等の電離しやすいアルカリ金属を少量(1%程度)混入して(seeding,シードするという)電離度を増加させ,導電度を上げる方法が考え出された。閉サイクルの場合には,アルゴン,ヘリウムなどのガスにセシウムをシードしている。 また,ガスプラズマの熱平衡温度より低い温度でありながら,高い導電度を得ようという試みの一つに,非平衡電離法がある。これはガス温度に対して電子温度を高めて導電度を上げ,熱平衡に達するまでの間に発電させようというもので,現在のところ発電流路内の誘起電圧を直接利用しようとしており,その他,外部から電圧を加えたり,電子ビーム,放射線等を照射するなど,種々の方法が提案されている。
2. 次に発電流路の壁や電極の材料の問題がある。これらは高温に耐えるとともに,アルカリ金属の腐蝕などに耐えなければならない。この課題解決の一つの方法は,それ自身耐熱性のある材料の開発で,ベリリヤ,マグネシア,アルミナ,ジルコニア,窒化ボロンなどが検討されている。もうーつの方法は,銅やステンレスを使つて水冷する方法である。これは現在でも実用機の設計が可能であるが,多少の熱損失はまぬかれない。
3. MHD発電の出力は磁界の強さの2乗に比例するので,強い磁界が望まれる。必要な強磁界(40 Kガウス以上)を常温水冷(または低温液冷)の導体による空心マグネットで得ることは総合熱効率および建設費の点から有利でないことはほぼ明らかになつているため,超電導マグネットの開発に力が注がれている。超電導マグネットの開発はMHD発電実用化の一つの大きなキーポイントであるとされている。

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