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1部  研究活動と研究投資
第1章  政府の施策

最近の科学技術のめざましい進歩にともない,科学技術振興に果たす国の役割はますます重要となり,政府は科学技術行政体制の整備につとめるとともに,毎年科学技術関係予算を計上し,所要の施策の推進にあたつている。

昭和39年度の科学技術振興費は422億円であり,前年度に比べ54億円(15%)の増加となつている。この科学技術振興費は,国の予算編成にあたつて主要経費として計上されるもので,各省庁所管の試験研究機関の経費,原子力関係の経費および試験研究費補助金等の科学技術の振興を目的とする経費を総称したものである。科学技術振興費の一般会計に占める比率は,前年度の1.25%に対して39年度は1.26%であつた。

しかし,一般に科学技術関係予算をみる場合には,以上の科学技術振興費のほかに,国立大学等の関係経費を加えた広義のものを考える必要がある。

このような広義の科学技術関係予算は,昭和38年度の906億円に対して昭和39年度は1,087億円と181億円(約20%)の増加であつた。一方,これが国の予算に占める割合は,昭和38年度の3.0%から昭和39年度は3.2%と僅かながら増加している。

以上の予算措置のもとに講じられた昭和39年度の主な施策は次の通りである。

すなわち,国立試験研究機関や国立大学等の研究機関を整備充実し,国の行なう研究活動の強化をはかるとともに,研究・学園都市建設の推進および研究公務員の処遇改善などにつとめ,また宇宙,原子力などの分野や海洋,防災などに関する研究の総合的な推進ならびに資源総合利用の推進をはかつた。

他方,国立大学,高専等の学部・学科の新増設,入学定員の増加,私学の助成等を行ない,当面する社会の,さらには予想される次代の要請に応えて,将来の科学技術の発展をになう,優れた科学技術人材の養成・確保につとめた。

さらに,民間の研究活動を盛んにし,国産新技術の育成・開発を促進するため,補助金,委託費等による助成策および金融上・税制上の優遇措置を講じ,研究組合制度による共同研究の推進をはかるとともに,日本開発銀行等に対する融資のあつせん,新技術開発事業団の運用等により新技術の企業化の促進につとめた。また特許行政,標準化事業および各種の普及奨励活動などを推進した。

以上の諸施策と並行して,各種国際機関との協力,共同研究や研究者の国際交流等の国際協力の推進,内外の情報交流活動の強化をはかつた。

なお,これらの科学技術行政を長期的な観点から総合的に推進するため,科学技術会議等各種の審議会の活用と一層の整備強化を行なつた。科学技術会議では諮問第1号および第3号答申の見直しが開始され,一方かねてから懸案の科学技術基本法制定のための検討が行なわれた。また,臨時行政調査会からは,科学技術行政についての改革意見書が提出された。


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