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  各論
§19  医療および公衆衛生
III  疾病対策
5.  診断技術

疾病の診断が正確でなければ,疾病の予後を推測することも,また合理的な治療を行なうことも不可能に近い。

今日における診断技術は,レントゲンの登場矢として,物理学的,化学的,機械的手法が数多く用いられている。眼底鏡,胃カメラ,関節鏡などのいわゆる内視検査機器,心電計,筋電計,脳波計などの医用電子機器の利用をはじめ,光学顕微鏡,電子顕微鏡などによる微生物学的診断法や生物化学的診断法などがこれである。しかし,診断技術の理想は,迅速,確実,簡易であつて,検査者の主観に左右されない客観的な判断基礎を与え,しかも被検者に対する肉体的苦痛や経済的負担ができるだけ少ないことである。この点診断器機の改良の余地は大きい。最近,研究されている医用テレメーターなども,新しい診断技術の開発の一つとして注目されているが,送信装置などの改良が必要である。

なお,診断技術のうち現在とくに早急にその開発がのぞまれているのは,ウイルス疾患,がんおよび成人病に対する診断技術であり,すでにそれぞれの項でものべたが,今後これらの要請に応えるものとして,つぎのものが考えられている。極微の世界を明確に探索するための電子工学の発達および細胞および核における蛋白体やアミノ酸の生体代謝を明らかにするための微量生化学の発展,さらに原子科学の進展であろう。


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