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  各論
§18  防災科学技術
II  防災科学技術の諸問題
6.  火災

年々火災は増加の傾向を辿つている。冬期および春期,とくに12月,1月,2月,3月の火災期には,出火件数が多く,昭和35年は例年にない異状多発により,近年の最高を記録した。

しかし,火災の実態をみると,出火件数の増加に反し建物焼損面積,損害額および,いわゆる大火の発生は,減少の傾向をたどつている。これは消防力の充実強化および,消防科学技術の研究成果ともいえるものである。

昭和35年度を例により,出火件数を四季別に調べると,冬期(12月〜2月)が年間発生件数の35.5%を占め,ついで春期(3月〜5月)が28.4%,夏期(6月〜8月)が18.8%,秋期(9月〜11月)が17.3%となり,いわゆる火災期といわれる冬期は1日当り170件,春期のそれは135件となり,これに対して非火災期の夏期は一日当り89件,秋期は83件となり,春冬期は夏秋期の1.8倍に当る。

このように,春冬期は夏秋期に比して火災件数が多いのば毎年共通した現象で,これば冬期から春期にかけては,一般に火の取扱いが急増することに加えて,湿度の低下,強風等気象条件によつて大きく影響を受けるため,である。

出火原因についてみると,火の不始末,設備の不良あるいは取扱上の不注意,怠慢によるいわゆる失火が全火災の約90%を占め,雷火等,全くの不可抗力によるものは,わずか0.5%位にしかすぎない。

このような,一瞬にしてすべてを灰燼にしてしまう恐ろしい火災に対しては,消防力の充実,火災予防思想の普及のほか,消防科学技術の研究も,消防庁消防研究所を中心として行なわれている。最近における研究成果は,1)従来の火災報知機より20倍以上も速く(1.5秒)回路,機構が簡単でかつ高性能なM型火災報知機の試作,2)新しい型式の排煙機の製作,3)油による火災に最も有効な消化剤CBの新合成法,4)火災点の高温炎からの熱線を感知する新しい熱線感知器の研究,5)防火材料,防火塗料の研究等があげられる。


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