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  各論
§17  輸送
IV  海上輸送
3.  港湾



(1) 港湾計画の重要性

港湾は経済発展の基盤として,大きな役割を果してきたが,最近港湾施設の増強のテンポが経済成長に遅れをとり,ともすればネツクとなり勝ちである。

京浜,阪神等の工業地帯をひかえた港湾においては,接岸施設の不足により,滞船が増加し,いわゆる船混み対策が真剣に考えられた事実はこれを如実に物語つている。また港湾は,検疫,関税,荷役,倉庫,海運等の異つた機能が総合的に発揮される一つの場である。それ故港湾計画は単に一部門でなく総合技術として,その重要性は増加し,後背地の経済成長,交通体系等を最近のOR等の機能を導入して行なう等の進歩を見ている。
(2) 施設近代化の方向

港湾荷役の中,接岸荷役(片舷孵荷役を含む)のしめる割合は 図17-15 のように停滞しており,また昭和35年には6大港(東京,横浜,名古屋,大阪,神戸,関門)においては62%で,その他の81港の84%に比して少ない。この事は貨物の6大港集中と施設の不足を示すものである。

図17-15 接岸荷役の比率

商港における近代化の方向は沖取りを全部接岸荷役に切り換えるための荷役能力の向上を目的とした埠頭(接岸施設,荷役機械,上屋)の整備であり,とくに横浜,神戸の2大商港においては,山下埠頭(横浜),摩耶埠頭(神戸)が昭和40年までに完成すれば,航路別ベースの指定が行なわれ,2次輸送および荷役に画期的な効果をもたらすことになる。埠頭配置,上屋については,従来の鉄道を主としたものから,自動車輸送の比重の増加により変化を生じ,さらに将来は雑貨のコンテナー輸送が行なわれるようになると大きな変化が予想される。雑貨荷役を合理化するコンテナー輸送は,すでに大西洋航路においてはコンテナー専用船も出現し,わが国でも一部利用され始めており,将来本格的に使用される気運にあるが,このためにはコンテナーの国際規格の決定が必要となる。さらにわが国においては通関手続の外に鉄道,道路の幅員等の技術的問題も含まれており,その解決は今後にまたれる。

荷役機械は雑貨用の荷役機械については,油圧方式による荷役能力の増加の改良が行なわれ,ばら荷用は穀類等に使用されるチエーンコンベヤ,ニユーマ等の外に石炭鉱石荷役用として,スタツカー,ジブローダー方式が新製品として登場した。
(3) 工業専用港の発達

現在各地の港湾に直結する臨海工業地帯が発達しつつあるが,その中心をなすものは製鉄と石油精製である。両業種とも前述のように大型船による原料の輸送を必要とするもので,航路泊地の水深は現在の12米から,今後は16米以上が要求され,埋立と併用されるポンプ式浚渫船およびデイツパー,バケット式浚渫船等硬土盤浚渫用の作業船の発達によりこれが可能となつた。

超大型船の荷役は,タンカーに対してはパイプによつて送油されるので,海中にパイプを布設することにより浮標に係留するか,またはドルフインの施設で簡単に荷役を行なうことができる。鉱石専用船に対しては水深12米〜16米の岸壁および大型の荷役機械が整備され,さらに貯鉱場から工場内まではベルトラインによつて連絡している。製鉄関係専用港の新旧の比較をすれば 表17-8 のようになる。

表17-8 製鉄専用港の鉱石荷揚施設比較


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