ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
  各論
§17  輸送
II  鉄道輸送
2.  東海道新幹線

京浜-中京-京阪神の各産業文化の中心地を結ぶ東海道沿線には,わが国総人口の4割,工業生産額の7割が集中しているだけに,営業キロでは全国鉄の3%にすぎない区間であるにもかかわらず,旅客貨物共その約1/4を輸送している現状である。そして沿線の産業がさらに発展し,各都市への人口集中が激化するにつれ,その輸送量増加率は全国平均値よりも遥かに大きい値で伸長するものと予想されている。またたとえ現在計画されている東京―神戸間の高速自動車道が完成しても,それに転移する輸送量は,旅客で10%,貨物で5%にすぎないものと予想され,東海道の輸送は,鉄道への依存度が依然大きいと見込まれている。

現存東海道線の旅客列車は80〜120本/日,貨物列車は50〜60本/日で,1本の鉄道に昼夜を通じて8〜10分ごとに1個列車が通つていることになる。これは従来複線区間においては1日片道120本が限度という常識を超えたものである。この輸送力のゆき詰まりの解決と,鉄道近代化との2大使命をもつて,東海道新幹線の建設が決定され,昭和34年4月着工した。この新幹線は東京―大阪約500kmを3時間で結ぶもので,この完成により東海道の輸送力は飛躍的に向上する。

また,この新幹線は従来の鉄道と全く切離して建設されるため,あらゆる点において新技術を適用し世界でも最も近代的な鉄道となることが期待されている。軌間は世界標準ゲージの1,435mm,動力方式は交流電気60∽25kVを採用している。輸送方式は旅客,貨物とも電車とし,貨物は電動車にコンテナーをのせる方式を採用しているのが特徴である。またその平均速度167km/hというこれまでにない高速運転のため( 図17-7 ),高度の輸送技術が必要となる。すなわち,軌道構造は従来の50kg/mレールより重い53kg/mの新型長尺レールを使用し,列車風の影響,空気抵抗を減少させるため,車体は流線形で滑らかなものとなる。ブレーキ方式は従来の粘着ブレーキ(発電ブレーキ,デイスクブレーキ,制輸子ブレーキ)のみでは制動距離がいちじるしく長くなるので,これに風圧ブレーキ,電磁渦流プレーキ等の方式が併用されよう。またその信号方式は前述の自動列車制御装置,列車集中制御装置か採用されることになるが,さらに列車の運転曲線を作つておいて,列車が走つている瞬間の実速度とその曲線とを絶えずチエツクしながら走るプログラム制御等のオートメーションによる列車運転の実用化が進められている。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ