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  各論
§16  電気通信
III  電気通信の国際性と国際協力

国際間における政治経済活動の活発化にともなつて相互の情報交換の手段としての電気通信の国際的な役割が重大視され,その技術的協力や国際協定による技術水準の維持等が強く要求されるようになつてきた。

このため国際電気通信連合(ITU)が国際連合の専門機関の一つとして,ジュネーブに事務局を置いている。この機関は周波数の割当とその登録,通信料金の可及的引下げ,電気通信業務の協定による人命安全の確保,電気通信に関する技術勧告,情報の交換等を目的としている。その下部機関として国際周波数登録委員会(IFRB)国際電信電話諮問委員会(CCITT)国際無線諮問委員会(CCIR)等の常設機関が設けられて技術的基準の勧告等を行なつている。またITUは国連技術援助局(UNTAA)との間の協定により国際電気通信に関する技術援助の面については,全面的責任を負つている。

国際間の社会経済活動が活発化するにしたがい,第1に国際通信の迅速化が要求され,大陸内のみならず大陸間の国際通信の即時化,第2に空白地帯を埋めて地球全体を蔽う国際通信網を完成するというねらいもあつて,ITUは国際通信に関してはもちろん,国内通信の伝送基準や交換信号方式等にまでその基準的勧告を行なおうとしている。わが国も最近アジア大陸における唯一の技術的先進国として重要な役割を果しているが,それら諮問委員会の基準的勧告に準拠とした機器の製作を行なうと同時に諮同委員会の各作業部会に積極的に出席して,これらの勧告にわが国の主張を入れて,通信機器の輸出に対する優位の確保のためにも活躍している。

また最近東京でエカフエの電気通信作業部会,ITUの南アジアおよび極東地域プラン会議,ITUのマイクロゼミナール,アジアエレクトロニクス会議およびアジア放送会議が開催されアジアにおける指導的役割を積極的に果している。アジア地域の低開発国に対する電気通信に関する技術協力も積極的に行なわれており,昭和36年2月にタイのバンコツクに電気通信研修センターが開設され,教官および訓練機材等技術面について全面的に援助している。昭和35年末までに約170名の電気通信関係の研修生がわが国へ受入れられ,日本電信電話公社,日本放送協会,国際電信電話株式会社および関係メーカーが主にその訓練の実施に当つている。

国際通信の手段として,短波帯通信以外の長距離通信用に海底同軸ケーブル方式が多く採用されている。CCITTのアジアプラン会議において採択された海底ケーブル計画は, 図16-4 に示すとおりわが国から台湾,マニラ,サイゴン等東南アジア各国を経由して欧州と結ぶ大通信幹線となる予定である。また,無線方式では電離層や対流圏散乱波通信方式があり,距離的な制限があるために対地によつては有効な方式と考えられるが,地球全域をカバーすることが出来ないであろう。他方人工衛星による中継通信方式は,広帯域伝送特性を有するマイクロ波帯の使用が可能であるという優位性が認められており,今後の国際通信やテレビ中継方式として注目されている。とくにこの方式は人工衛星を世界的に共同使用することを前提としており,その夾現には国際協力が不可欠である。

図16-4 将来のアジア地域における海底同 軸ケーブル計画


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