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  各論
§15  建設技術
III  海外建設技術協力と外国技術の影響
1.  海外建設技術協力の現状

第2次大戦の結果,わが国が負うことになつた賠償により,従来ほとんど海外に出ることのなかつた建設企業に新たに海外進出の機会が与えられた。

一般に,東南アジア諸国等の低開発国の貧困と,停滞の主な原因は,その経済構造が第1次産業部門への依存度がきわめて高い,いわゆるモノカルチャー経済構造である点にある。低開発諸国の多くは,戦後にあいついで政治的独立を獲得したが,ひとしく経済的自立と国民生活の向上のため,モノカルチャー経済構造から脱却すべく,経済開発に最大の重点をおいている。その中心をなすものは,産業基盤確立のための国土の開発であり,建設事業の推進である。この意味において,これら低開発国に対する建設協力の意義はきわめて大きい。

現在における建設関係プロジエクトの主なものは次のとおりである。

(a)バルーチヤン発電所建設計画(ビルマ)

この計画は,ビルマ政府が独立後最重点的にとりあげた水力発電所開発計画の最初のもので,サルウイン河上流のバルーチヤン河の電力を開発し,ビルマの電力事情を大巾に改善しようとするもので,第1期84万KWが完成している。

(b)マリキナ河多目的ダム建設計画(フイリツピン)

マニラ北東30キロにあるモンテルバン峡谷に,高さ180メートル,巾190メートルのアーチダムを建設し,発電,洪水調節,かんがい,上水,工業用水の供給を行なおうとするもので,建設工事は,日比建設業者が協力して行なうことになつている。

(c)南トルンガグン排水トンネル工事(インドネシア)

この計画は,東ジャワ,ブランダス河の水害を軽減するために水路の一部の付替計画で,カリブランタス開発計画の一環とされている。

調査は商業ベースで行なわれ,設計,監督,および建設工事は日本の賠償で実施された。

(d)ホテルインドネシヤの建設計画(インドネシヤ)

ホテルインドネシヤの建設は,インドネシヤ政府が昭和37年ジヤカルタで開催されるアジアオリンピック大会の外人客用として計画したものであつて,14階建,420室,延床面積5万平方メートルである。

(e)ダニム開発計画(ヴエトナム)

ダニム河の開発により,最終的には,50万キロワツトの電力が開発可能とされているが,当面の計画では,第1発電所,16万キロワツトの開発が目標とされている。建設するダムは,高さ38メートル,長さ1,430メートルで,体積355万立方メートルのアースダムである。

(f)スエズ運河改修工事

スエズ運河の既設護岸の撤去,護岸の新設,運河拡巾,増深等の工事の国際入札に参加するため,33年5月,35年3月の2回にわたり調査団が派遣された。水野組は5,000馬力のしゆんせつ船の建造を行ない,この入札に参加して,堂々これを落札した。

建設企業の海外進出には多大の困難がともない,法的にも,経済的にも国の援助措置が期待される。


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