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  各論
§15  建設技術
II  建設技術の発展の動向
3.  新しい材料と工場生産化の進展

最近,プラスチツクス,アルミニウム等の建設部門への進出はめざましく,品質も大巾に改善されている。これらの新材料とともに,材料の規格化,量産化といつた動きも活発で,建築部門においては,コンクリート版による建て起こし工法が大規模に実施されるようになり,工場生産化への動きがみられる。
(1) 新しい材料

(a)セメント・コンクリート

普通ポルトランドセメントとならんで,使途に応じて高炉セメント,高硫酸スラグセメント,膨張性セメント,各種ポゾランセメントが使用されており,化学薬剤の添加によるコンクリートのワーカビリテイの改善,セメント使用量の節約,強度の増大などの手数が広く採用されるようになつた。

コンクリートの分野では,その軽量化がますます要求され,火山礫利用のコンクリートのほか,パーライトコンクリート等の使用が増大している。火山礫あるいは焼成した粘土等によつて,軽量でかつ高強度のコンクリートを作る研究もすすんでいる。

また,最近,ソ連やスエーデンより技術導入された,「シリカチート」や「シボレツクス」の将来性は注目に値しよう。これらは,セメントと砂,アルミ粉末(発泡の役目をする)を主原料とし,高圧蒸気養生するもので,軽量,高強度,高度の断熱性,良好な加工性といつた利点をもち,大量生産にも適しているので,組立住宅等に利用面が広いと思われる。

(b)合成樹脂系材料

プラスチツク材料は,建築物の内外装用として,他の材料とも組み合わされて広く利用されるようになり,構造材料として利用することも研究されている。

また,土木工学の分野では,各種合成樹脂系製のパイプ,シート,フイルムなどの使用をはじめ,接着剤,コンクリート養成被膜,防水膜,目地材などとしての使用もされている。

(c)アルミニウム建材

アルミニウムの表面仕上加工技術が進歩し,使用法が研究された結果,サツシュ,内外装材などにかなり進出し,最近では,軽快なアルミニウムの帳壁で外装した建築物が多くみられるようになつた。また,構造材としての利用することも研究中であり,その使用法の改善や,価格の切下げによつて建築物向の用途が今後一層増加すると思われる。

そのほか,橋梁等への利用も研究されている。

(d)アスフアルト

道路舗装用アスフアルトについては,製造法の改良や品質管理の実施により,供給される材料の均一性をます一方,舗装用に要求される諸性質の改善も研究されている。

すなわち,アスフアルトの流動的な性質の改善,薬剤添加による骨材への付着性および耐老化性の改善などが試みられている。とくに,雨によつてぬれた骨材に対しても付着性がよいように,従来のアスフアルト乳剤とは逆のタイプのものが実用化されている。また防波堤の捨石の固結用などにも使用され始めている。

(e)高張力鋼,ステンレス,その他

ステンレスは建築物の内外装用として広く利用され,美観という点でも優れているので,維持方法さえよければ外装用として,今後とも広く利用されるであろう。また溶接性良好な高張力鋼の開発利用がすすめられている。
(2) 工場生産化の進展

最近における建築業の人手不足に加えて,他産業における技術革新の影響もあつて,現場施工をなるべく少なくするためにプレフアブリケーションに対する関心がたかまつてきた。それとともにメートル法の全面的採用から,従来の尺,坪に代わる新らしい設計単位の問題に関する研究がすすみ,モデューラーコオデイネーシヨンの設定も考慮されるようになり,工場生産化に対応する態勢が整備されつつある。

(a)テイルトアツプ工法

建築工事においては建築部材を予め,ある程度工場で生産する傾向にあるが,これは規格化,量産化を前提とし,部材の大型化を指向している。この意味で,これまでのプレキャストコンクリート工法の構造的弱点を補いながら,進んだ建設機械の導入により現場工数の減少を意図したのがテイルトアツプ工法である。

すでに,日本住宅公団においては,二階建住宅760戸がこの工法で建設された。

この工法による西階建のビルの可能性についても,最近試験が実施され,十分な耐震性が実証され,中層建築物にもどしどしとりいれられていく気運にある。

さらに,シリカチート,シボレツクスなどの建築部材が工場生産化されれば,軽量でもあるし,この工法は画期的な進展をみせるであろう。

(b)パネル式組立て住宅

プラスチツクス,あるいは軽量型鋼などとの組合せによる組立て住宅の出現は,画期的なことで,ついに住宅さえも耐久消費財化したといつてもよい。

今のところ小型住宅に限られ,需要にも限界があるとはいえ,その普及は住宅様式の変革に少なからぬ影響を及ぼすと思われる。


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