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  各論
§15  建設技術
II  建設技術の発展の動向
2.  構造理論の進歩と耐震,耐風性の向上

構造理論の分野においては,構造物の安全率に対する研究が進められているが,電子計算機がこの分野にも広く利用されるようになり,大地震時に構造物がどこまで壊れるかという理論的研究が行なわれている。

また,新しい構造法として,シエルや折版構造といつた,大スパン構造物の理論,施工の両面について解決が与えられた。
(1) 構造物設計理論の進歩

構造物の安全率を合理的に究明し,経済的な設計を実現する努力が払われた結果,構造物の設計は,その終局強度を目標として行なわれるようになつてきた。この設計方法の要点は,構造物中にいわゆる塑性関節が形成されて,構造物が崩壊するに至る時の荷重をその構造物の終局荷重としてこれにもとづいて終局強度を決定しようとするものである。この塑性設計理論に対する研究結果が全面的に実用化されようとしている。
(2) 新しい構造

最近における海峡連絡橋,大規模な工場や,各種催物の会場として,大スパン構造物が要求されるようになり,ケーブル吊橋,シエル構造,折版構造が採用されるようになつた。また,フーラー博士のフーラードームの実験がわが国でも実施されるに至り,屋根つき野球場等に使用されるのも間近いであろう。

また橋梁構造として合成桁,箱桁,格子桁の応用による立体橋梁構造の発展がみられる。
(3) 構造物の耐震,耐風性の向上

最近では,道路,橋梁,堤防,建築物,港湾等の構造物の地震地における安全度が重視され,耐震設計に関する基礎的研究が進み,構造に対して,新しい考慮が払われるようになつている。

これらの構造物の耐震性の研究に必要な基礎地盤と,構造物の地震時における地震特性の実地観測についてもダムをはじめとして多数の実施例が数えられるようになつた。

耐震設計の基本となる地震の強さについては,最近日本各地で定量的に推定できる方法が発表された。これは,地震の大きさ,震源の位置,敷地地盤の卓越周期によつて決つてくる。なお,強い地震を測定するための強震計も全国的に設置されつつある。

最近,強く要望されている高層建築物の耐震構造については,鉄骨,超軽量コンクリート構造等が研究されている。

建築物に加わる風圧については,地形によつて甚だしい影響をうけるので,2,3の地区において風速分析と地形との関係が調査されている。また吊橋の耐風安定性については,さきにのべたごとく,吊橋専門の風洞等の設置により研究が進められている。そのほか溶接構造の発展,鋼構造製作技術の進歩,ハイテンシヨンボルトの利用等構造部門の発展がみられる。


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