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  各論
§15  建設技術
I  技術革新の潮流と建設
2.  建設技術の位置づけ

最近におけるわが国の工業立地の動向をみると,一方では,新しい技術と結びついた新しい工業地帯の形成が行なわれる反面,他方では,市場条件に基づいて大都市周辺の既成工業地帯への集中が促進された。

その結果は,既成工業地帯において工業用水の不足,地下水の過度汲上げによる地盤沈下,鉄道,道路,港湾等の輸送施設における隘路など産業全体の基盤をなす諸条件の悪化をきたし,大きな問題となつている。このような事態を招いた原因として,従来の公共投資の絶対量の不足が累積したためもあるが,地域的な総合開発計画の欠除もみのがすことができない。

表15-1 建設工事費の推移

図15-1 公共事業関係事業費の推移

岡山県南地帯の開発を一例にとつてみてみよう。 図15-1 のとおり,臨海工業地帯の造成,旧市街地の再開発等を中心とした地域計画の基本構想が樹立される。

この構想の実現には解決すべき幾多の問題が山積している。たとえば,水資源の問題,ダム建設,工業用水と河川統御,エネルギー問題,港湾計画から工業用地の造成,中小企業問題から農林水産問題,消費動向から観光問題,住宅問題等々である。これらの問題を解決しつつ実施計画が作成されねばならない。そのためには,産業関連分析,流動調査等,高度の計画技術が要請される。

図15-2 岡山県南地帯の開発構想図

このような地域計画の中で「建設」が果す役割は一体どのようなものであろうか。「建設」は,本来他産業との有機的な関連性が強いが,ここにみられる地域計画,または都市計画といつた「個」の建設から「群」の建設や開発へと連なつてゆくとき,一面では総合的な性格をもたねばならない。すなわち,そこに要求される計画技術や建設技術は,多方面にわたつて諸技術と関連してくることになり,総合技術としての性格の一面をも帯びてくるのである。この点に,「建設」あるいは建設技術といつたもののもつ性格なり位置づけがあるといつてよい。


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