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  各論
§14  コンビナート
II  コンビナートの諸形態
3.  鉄-化学コンビナート

鉄と化学のコンビナートは,コークス炉を中心として展開している。製鉄一貫メーカーは銑鉄生産のためのコークスをほとんど自社生産しており,コークス生産時にタール,副生硫安,軽油,コークス炉ガス等がえられ,これらは主として鉄鋼業の化学部門で処理されてきた。これらの副産物のうち,コークス炉ガスは各種の炉の熱源としてその75〜80%を消費してきたが,純酸素上吹き転炉を初め酸素製鋼法の普及によつて,近い将来大量のコークス炉ガスが余ることが予想され,このコークス炉ガスを有機合成化学の化学原料として利用することが注目され,かくして鉄鋼と化学が熱経済,原料経済の面でコンビナートを形成する可能性が生まれた。

粗鋼生産量の将来の見通しより考えると,昭和45年度4,800万トンが目標とされ,これにともない発生するコークス炉ガスは約89億Nm3で,現在の30億Nm3の3倍近い量になる予定である。このような見通しはますます鉄と化学のコンビナートの必要性を大きくしている。鉄鋼業の中より,化学部門が分離される傾向にあるが,相互の技術的なつながりは,むしろコンビナート化の形で強化されつつあるといえる。
(1) コンビナート形成の要因

コンビナート化の促進理由として次のことがあげられる。

1)製鉄業における化工部門は,利潤のあがる部門ではあるが,やはり副業的なものであつて,この部門の合理化と技術発展のためには,独立系列化,他の化学工業と協同するのが有利である。
2)製鉄所における技術革新のために,設備の近代化,合理化と同時に純酸素高炉とか,酸素製鋼法などの新技術が採用されたので,原燃料原単位が低下したり,燃料の転換が行なわれてガスが余つてきたのでこれを化学原料とするのが有利である。
3)石油化学の発展でタール製品との競合もはげしくなり,石油化学を含めた広いコンビナートで製品の利用の多様化をはかる必要ができた。
4)鉄鋼と将来競合するかもしれないプラスチツクなどの新製品に対して共同して発展することが必要である。

(2) 八幡地区コンビナートの場合

このような状勢のなかで,現在鉄と化学の結びつきがどのようになつているかを八幡地区の例でみよう。

図14-4 には八幡製鉄と八幡化学を中心としたコンビナートと,鎖線の下に九州石油を中心としたコンビナートの計画を示した。将来はこれらが総合されて,総合コンビナートを形成するものと予想されている。

このほか,川崎地区,広畑地区,室蘭地区でこのコンビナートの形成が進んでおり,千葉地区,名古屋地区でコンビナートが計画されている。


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