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  各論
§13  エネルギー
V  都市ガス
1.  ガス発生技術


上記のような状況の変化に対応して,ガス発生技術は伝統的な石炭乾溜方式に代り,昭和27年油熱分解式油ガス炉設置を皮切りに,増熱水性ガス炉(赤熱コークスに水蒸気を吹きつけ,熱分解により発生する水性ガスを油ガスと混合する。)

図13-12 年度別,ガス源別都市ガス製造割合

油接触分解式油ガス炉と多彩な発展をみたガス源も,コークス,石油(ナフサ,軽油,重油,原油)天然ガス,LPGと多様化している。 図13-12 にガス源別製造割合の推移を示す。とくに油ガス装置は,表13-6に示すごとく,コークス炉の僅か1/4の設備費ですみ,起動停止が容易なためピーク用に設置され,最近中小ガスではベース用にまで進出している。今後一層の技術進歩が期待できるので,将来,ガス発生技術の主流となるであろう。工業的規模の油熱分解装置は,米国ではすでに30年余の歴史を持ち,日本最初の油熱分解装置であるHall4筒式(東京ガス千住工場に昭和27年設置)は,昭和22年に米国で稼動してしる。天然ガスの代用となる8,000〜10,000kcal/m2前後の高熱量ガスの製造を本来の目的としているため,この油ガスは,重炭化水素が多く,比重大で,燃焼速度が小さく,そのままでは石炭ガスの代用にはならない。そこで適当な触媒を用い,炭化水素と水素の反応を促進し,水素が多く,比重が小で燃焼性のよい石炭ガスと粗成の似た油ガス(4,000〜5,000kcal/m3),をうる油接触分解法が開発され,顕著な進歩を示している。イギリスのSa-Gas法(昭和28年),フランスのOnia-Gegi法(昭利26年が有名であり,わが国では,東海ガスが昭和34年にOnia-Gegi式を設置している。他方,東京ガスが独自の研究により,Na系触媒を使用し,Hall式熱分解炉を改造した東京ガス式接触分解装置(昭和33年)を初めとして,外国技術に比し遜色ない国産技術が次第に誕生してきている。

表13-6 各種ガス発生装置設備費比較

熱効率向上という面での技術進歩もいちじるしい。すなわち油ガス生成反応は吸熱反応であるから熱の補給を要するが,この熱の補給方式は外部加熱から,油ガスの一部を2次空気により炉内で燃焼し,内部加熱する部分燃焼方式,さらに,空気および燃焼ガスの混入による生成ガスの比重増大と熱量低下(3,000kcal/m3程度に下がる)という部分燃焼方式の欠点を改良したサイクル方式へと進んできた。サイクル方式は,油ガスの燃焼後ガスを放出する時期(ブロー期)と油ガスを製造する時期(メーク期)とでサイクル作業を行なうもので,多数の弁を有し,自動制御装置が複雑となるため,計装置が高くなる。したがつて,ユニツト規模を大きくする必要があり,主として大工場で,源油を用いて操業している。他方,中小工場では,部分燃焼方式油接触分解炉を設置し,ナフサを原料として操業するのが,最近の支配的傾向になつている。

ナフサは硫黄タール分がきわめて少ないため精製装置が不要で設備費が安くなるからである。この場合生成ガスの増熱を必要とするが,ブタン添加や生成ガスをナフサ中に通す等の方法がとられている。またブタン類をそのまま,あるいは空気で稀釈して,導管網により直接供給する方式を採用する中小ガスの増加も目立つ傾向である。この場合,蒸発器とタンクだけあればよく,ガス製造業から単なるガス供給業へと都市ガス工業の大転換を意味するものであるが,今のところはブタン価格が高いため,小規模な新規業者に限られている。


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