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  各論
§13  エネルギー
IV  石油天然ガス
2.  さく井および坑井仕上技術


図13-11 でみると,昭和31〜35年の期間に,掘進能率(m/h)は3.6倍,ビット1丁当り掘進長は3.4倍と大巾な能率向上を記録している。原因は,1)マツドポンプの増強(ポンプ圧力の増強40〜50→60〜70kg/cm2)2)ビット荷重の増加(2t前後→7t前後)3)ビット材質の改善および使用選択の適切化,である。ポンプ圧力の増強が一番大きな要因であるが,米国では,130kg/cm2程度に達しているので,100kg/cm2 への引上げが当面の目標とされている。

図13-11 掘進能率の推移

昭和33年10月,秋田沖でわが国の海洋掘さくの第一歩が印せられた。S社が米国ルトーノー社より海洋掘さく装置(移動式全搭載プラツトフオーム)の重要部分を輸入し,I社が完成した。海深30mまで可能で,現在までに600〜1,800mの坑井13本を掘さく,内7本から計150kl/日の出油をみている。

海底油田開発に利用できる別の技術に,傾斜掘がある。海辺の陸地から海底油田へ向つて掘さくする。日本では,15年位前から実用化されているが,掘さく方向(方位と傾斜)を決定する傾斜儀の精度に問題があり,坑井が曲りくねつて,ロツドが途中でつかえて掘さく不能になつたり,仕上用ケーシングの押入不能といつた例をしばしば生じた。S社が,イーストマン社の技術指導で行なつた高傾斜掘さく井は過去の最高値47°をはるかに抜く最高傾斜60°(傾斜率の最大10mに1°)坑井長1,077mで,水平距離679mまで達するという記録的成績をあげた。高精度のイーストマン社製カメラ式傾斜儀の採用が成功の主因である。

坑井仕上技術としては,昭和35年に申川油田で実施された2層同時採油仕上が注目される。1本の坑井で2本分の役目を果し,さく井費が節約できる。米国で4〜5年前から出油量の少ない油田に適用され,現在を5層同時採油仕上まで実現している。採油層の数だけ1本のケージング中にチュービングを挿入せねばならぬが,一方の油層が枯渇した時侵入してくる塩水を他方の油層まで侵入させないためのパツキング等,すぐれたメカニズムが開発されたおかげで可能となつたのである。


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