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  各論
§13  エネルギー
IV  石油天然ガス
1.  油田探査技術

油田発見のためには,まず広範囲の地質構造を解明して,油田賦存の可能性のある地帯を見つけることが第一である。地震探査法が主流であるがテープレコーダーと解析用電子計算機の発達により面目を一新しつつある。

第1に重鍾落下法があげられる。この方法は米国では,戦前から深度30m位の基盤調査に利用されているが,テープによる地震波の累積(通常20回以上)が可能になつたため,昭和28年頃から油田探査に応用されるようになつた。西欧では昭和34年頃からサハラ油田調査に応用され,わが国でも35年頃より試作研究がなされている。火薬使用法と比較して多くの利点がある。すなわち,1)無効であるのみか,解析上障害となる横方向に伝達する表面波が発生し難い。2)周期の長い波の部分が増加し,深層探査に適する。3)浅部に伝達速度の早い地層(石炭・岩等)があつても適用可能といつた諸点である。

第2に,情報理論の進歩およびテープドラムとアナログ型電子計算機を結合した総合解析機の登場によつて,解析可能な情報量が10数倍になり断層封塞,尖滅,レンズ状砂岩層等の微細構造まで明らかにできるようになつた。すなわち1)地形,測定方向の影響,定時曲線の曲りの迅速な補正2)解析目的によつて,選択する周波数領域を自由に変えられる。

3)従来の波形表示の外に,密度濃淡表示,波の面積変化表示等,色々な表示法が採用できるため地質対比が容易になる。日本では昭和36年末に米国から輸入され,使用され始めたばかりの段階である。

また多数の坑井でえられた音響検層図(超音波利用)から,その地帯の地震波記録を人工的に合成し実際にえられた地震波の記録と対比する研究がフランスで発達している。これによりかなり離れた坑井間の地質対比が可能になるばかりでなく,地震波生成機構を解明して,地震波記録の解釈を深めることを目指しており,地震学の立場からも深い関心が持たれている。日本では,昭和35年から合成記録装置の研究がなされ,昭和36年末に完成,合成が始められている。

第3に,海底探査用のスパーカー,およびラスがある。原理は,海深測定機と同様であるが,エネルギー源として,音波の代りに,前者は,火花放電後者はガス爆発を利用して深部まで衝撃波を到達させ,その反射波を測定するもので連続的に迅速な探査ができる。

米国での探査可能深度はスパーカーが300m,ラスが700mといわれているが,日本では地質条件が複雑なので,この半分位の深度が限界と思われる。前者は昭和33年,後者は昭和36年に輸入され,すでに活躍している。


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