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  各論
§13  エネルギー
III  石炭

この2,3年来みられていた石炭産業の危機は,ますますその深刻の度を加えている。わが国よりはるかに合理的な産炭構造を持ち,生産性が高く,需要面との結びつきも強固なドイツ,フランスにおいてすら,近代化計画あるいは合理化計画の名のもとに出炭計画の縮小が計画されているのをみても,その深刻さがわかるであろう。炭価の大巾引下げという至上命令の達成は,不可欠の前提条件であるが,その上になお国の強力な総合的エネルギー政策が求められるゆえんである。

通商産業省の石炭鉱業審議会が昭和34年に策定した目標(昭和38年までに昭和33年の原価に比し,1,200円引下げを達成する)にしたがつて石炭産業の死活を賭けた合理化計画が実行に移され,この数年間,着実に成果をあげている。 表13-1 および 図13-8 によつて,昭和33年12月と36年6月の実績を比較すると僅か2年半の間に生産性は50%も上昇し,大手炭鉱で,14.1%にすぎなかつた100工数以下の出炭比率が,86.5%を占めるまでになつている。この飛躍的向上は,1)高能率炭鉱での生産集中,2)非能率炭鉱の廃棄,縮小,3)企業整備による人員減少と適正配置,4)付帯,福利事業の分離独立による企業の単純化などのスクラツプ・アンド・ビルドの展開という背景の中で,坑内骨格構造の水平垂直構造への転換と切羽の集約大型化を2本の柱として,採炭から選炭に至る全行程にわたつて,新鋭機械の投入,新技術の採用等多くの技術進歩がなされたためにほかならない。

表13-1 精炭100t当りの消費工程(日本・西独)

図13-8 大手18社能率別(精炭100t当り直接生産工数)出炭比率

表13-2 炭鉱の自然条件および操業条件の国際比較


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