ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
  各論
§13  エネルギー
I  エネルギーをめぐる諸問題
1.  エネルギー革命の進展と石炭の競争力低下

昭和30〜35年度の5年間に,エネルギー総需要は,年率で11.0%増大した。とりわけ電力の伸びは年率13.2%と著しい。主因としては1)重化学工業の進展による機械,鉄鋼,非鉄金属,石油化学等の生産規模の拡大,2)各種産業におけるオートメーション等の労働代替的技術の浸透,3)所得水準向上にともになう家庭電化の普及,があげられる。本来石油系燃料を必要とする内燃機関,自動車の普及に加えて,石炭系燃料から石油系燃料への転換が進み石油の伸びが著しく,石炭需要の停滞と際立つた対照をなしている。いわゆるエネルギー流体化の傾向が歴然としている。これは技術の進歩が流体燃料に有利に作用し,石炭の石油に対するメリツトが低下して行くにもかかわらず,炭価切下げがこれについて行けず,競争力が弱化しているためである。

本州中央部の工業地帯におけるカロリ当りの価格は,逆に石炭が高くなつている。すなわち,両者の価格は,昭和31年平均阪神沖着渡し九州炭5,512円/t,京浜沖着渡し北海道炭6,175円/t,C重油10,292円/kl,36年6月九州炭5,806円,北海道炭6,129円,C重油8,500円と,石炭が一層割高になつてきている。

1,000kcal当りの価格は,重油の85銭に対し,石炭は95銭〜1円程度である。メリツト90%として75銭程度(6,200kcalで4,500円/t)で入手できれば対抗できることになるが,この条件を満しうるのは,いまのところ産炭地付近だけである。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ