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  各論
§12  化学工業
III  主要製品分野における動向
3.  合成樹脂

合成樹脂は全般的に著しい伸長を示しているが,生産構成比でみると,フエノール樹脂,尿素樹脂等の熱硬化性樹脂に代つて,塩化ビニルや石油化学によるポリエチレン,ポリスチレン等の熱可そ性樹脂が過半を占めるに至つている。

塩化ビニルは硬質製品の伸びがとくに大きく,安価で耐薬品性が良いことから各種配管用硬質管および建材用硬質板の需要が目立ち,また軟質板もビニルタイルとして利用されるに至つている。ただし,問題点としては設備の過剰とEDC法塩化ビニルの進出がある。

ポリエチレンは,軽く,電気絶縁性がよく,通気性,耐寒性がある等,塩化ビニル以上にすぐれた面が多いため逐年需要分野が拡大している。まず高圧法による軟質ポリエチレンがもっぱら包装,被覆材料として用いられたが,低,中圧法においても重合技術が進歩した結果軟質物がつくれるようになり,一方硬質物も中空成型による各種容器としての需要を拡大している。また近く生産が軌道に乗るポリプロピレンも同様な用途に使用されよう。

ポリスチレンは加工性のよさとのび縮みによる変形が少ないため,電気部品を中心に用いられるほか,アクリロニトリル,ブタジエン等との共重合物,発泡ポリスチレン等が製造されるに至り,それぞれの特性に応じて用途を拡大している。

フエノール樹脂はメラミン化粧板の基板,シエルモールド用等への需要が増したほか,各種重電,軽電機用への使用が盛んである。

尿素樹脂は食器,ボタン等の成型用のほか,接着剤としての使用が多く,消費量は塩化ビニルに次ぎ,価格の低下により,さらに需要増が見込まれる。

メラミン樹脂は耐熱性がすぐれているためテーブル等の化粧板用の需要が急増し,さらに建材,塗料,食器に用いられ熱硬化性樹脂としては最も伸びている。

最近注目されているものに,ポリアセタール樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリエーテル樹脂があり,耐熱性,機械的強度が大きいため,金属やガラス等の分野に進出するものと予想される。

これら各種樹脂のうち塩化ビニル,尿素樹脂は合理化等により国際競争力のある価格まで下つてきているが,他の合成樹脂はいずれも割高である。このため原料,中間製品等における合理化とともに,新らしい品質の開拓が必要である。


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