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  各論
§10  機械工業
III  主要機種別の状況
11.  精密機械



(1) 時計

わが国の時計生産は年々増加の一途をたどり,昭和35年には1,400万個(うち腕時計は約700万個)で前年対比35%増である。

時計の技術はで,一部婦人用ウオツチ,トランジスタ時計が外国の技術によつているのを除いて殆んどわが国で確立されたものその製品の品質・性能は国際水準を抜いている。

又高級品の比重も次第に多くなり,17石は普通で25石も現われている。設計の面ではチラナシテンプの一般化,自動巻やアラムウオツチが量産に入つている。ダイヤショツク・パラシヨツク・アンチシヨツクなどの耐震装置が考案され普及してきている。防水側も5km/cm2の水圧に耐えるものもできてきた。時計の歩度の温度係数がこの10年間に1/10に進歩したが,これは真空炉の発達により,ひげぜんまい用恒弾性材料とぜんまい用白色合金に特性の揃つたものがえられるようになつたためである。

部品の加工精度・組立技術,検査や管理の進歩もめざましく,従来は不可能と考えられていたコンベアシステムによるウオツチの組立てが可能となつている。即ち低コストで高性能の時計の生産が可能となつたのである。

最近ではアメリカの音を用いた腕時計,スイスの光で動く時計,及び温度で動く時計が考案されて注目をあびている。

しかしながら,時計の生産設備,検査機械など高級専用機については,スイスの製品に依存したり,一歩遅れておりこれが脆弱点になつている。

自由化を考慮した場合には,海外でも良性能のものを低コストで供給する競争が激しいので,さらに大巾のコスト低下をはかることが必要とされている。
(2) 光学機械

大型万能投影器,顕微鏡,16mm以上の映写機以外の光学機械はすでに自由化もされ,国際競争力も十分な機種である。とくにカメラについては,西ドイツのケルンで開催されたフオトキナ以来,日本の製品の設計・着想が全く新しく,従来日本のカメラが欧米品の模倣であるという非難を解消して日本のカメラの地歩を確立した。ズームレンズ8mm,5cmF0.95付シネレンズなどは,とくにその優秀性が認められている。又フオーカルプレーンシヤツタのコパルスクエヤは全く画期的のシヤツタで,世界に誇る功績とされている。これは構造も新しく,シヤツタに金属板を用い,巧みに組立てられたギロチン式のシャツタであり,カメラボデイに組込めばフオーカルプレーンシャツタカメラができるのでシヤツタの集中生産が可能となつた。

カメラ業界では共同研究体制をとり,カメラ工業技術研究組合が,レンズのヤケ防止法,写真レンズの性能測定と生産性の向上,写真レンズの特性検査装置および自動研削仕上機の開発に関する研究を昭和31年以降行ない,わが国のレンズの性能向上を更に推進している。とくに工場用のレスポンス函数測定機はその効果が期待されている。

一方大型万能投影機,16mm映写機,顕微鏡は自由化に際しては問題を含んでいる。すなわち大型万能投影機は昭和34年に製品化されてその日も浅く,まだ量産化体制になく,イソマ,ハウザ等の外国製品に対しかなり割高である。16mm映写機も米国ではマスプロ生産方式であるのに対し,わが国では月産300台程度で生産体制が確立していないのでコスト高である。また外国品のベルハウエル・RCA・コダツク等のものは一流品としての名声を博している。

顕微鏡も使用者の好みが外国品を要望するので同一性能,同一品質のものでもかなり価格が安くないと採用してもらえないのが実情である。特殊顕微鏡については生産の日も浅く,研究途上にあるので特に国際競争力は弱い。

表10-5 国際競争力からみて問題のあるその他の機械一覧表


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