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  各論
§10  機械工業
III  主要機種別の状況
8.  ポンプ・空気機械



(1) ポンプ

経済の成長とともにポンプの需要もますます増加してきている。その広い用途のうちで,火力発電所用ポンプ,水力発電所揚水ポンプ,プロセスポンプ等の技術は,ますます高度のものが要求されてきている。

戦後の技術発展の過程のなかで,これらのポンプがわが国における脆弱点とされていたが,国産技術による開発とともに,海外の優れた技術が導入され消化されて,その技術水準もかなり向上してきている。しかしまだ石油精製・石油化学などのプロセスポンプの輸入も多くその技術の完成が要望されている。

最近の技術成果として次のものがあげられる,1)吐出量18.6m3/s,全揚程241.4m,回転数300rpm,56,500kwの口径1,800mmの二段軸の揚水タービンポンプは,この種のものとしては世界2番目である。2)火力発電所のボイラ給水ポンプや復水ポンプ,循環水ポンプも記録的のものが続出した。

とくにボイラ給水ポンプは高圧でありながら効率の向上もめざましく,80%前後を保証している。

表10-3 国産の高圧大容量ボイラ給水ポン プの性能及び実績

その他圧力100kg/cm2以上のデスケーリングポンプが続々製作され,上下水道,工場揚水用ポンプも可変速流体接手による自動調速装置つきのものが使われ始めた。

農業用大型ポンプも22,000mm立て軸斜流ポンプの完成が近く,一方海外へもエジプトのナイル河下流のエルメツクスポンプ場・に2,300mmのものが輸出品として気をはいている。その他水力採炭用高圧ポンプも500〜600mの揚程のものが納入され始めている。特殊のものとして放射性液循環用のキヤンド・モータポンプ,記録的なしゆんせつ船用ポンプ(800mmφ,Q=183m3/min,h=43m),「高濃度のパルプ液用ポンプ,大型水中ポンプ(75kw,h=50m)が成果としてあげられる。

国際競争力の点からは,とくに高温高圧ポンプ,化学用ポンプの技術の向上とその関連部品のレベルアツプが要請され,さらに一般のポンプについては,標準化,単純化を進めて,価格低下をはかる設計技術の完成が要望されている。
(2) 空気機械

空気機械もポンプと同様関連産業の発展に従い,各方面に多種多様の圧縮機・送風機が納入され,全体的に大形化しつつある。

従来この分野では,化学工業用のガス圧縮機の開発が技術的におくれ,需要者も外国製品に依存しがちであつたが,国内技術の進歩と外国技術の導入により大部分が国産化されている。従来全く輸入に依存していたガスエンジン直結のガス圧縮機も優れた技術が導入されて,化学工業に大いに貢献している。

最近の特筆すべき成果としてつぎのものがあげられる。

容積式圧縮機では,1,500kWの二元冷凍月圧縮機,800kWの無給油式圧縮機,3,200kWの対向型圧縮機,860kW吐出圧15kg/cm2の3連対向つりあい形圧縮機が製作された。ねじ圧縮機も遠心圧縮機の域に進出し,空気分離装置用として2,000kWのものまで製作されるに至つた。

遠心圧縮機及び送風機としては焼結炉用に3,000〜4,000kWの単段両吸込形のもの力;製作され,ボイラ誘引送風機も2,000kWに達した。

軸流圧縮機は,空気機械のなかでもその進出がめざましく,航空技術研究所の風胴用の30,000PSはすでに運転に入り,高炉用として35年に納入または製作中のものは20台以上に達して10,000kW以上のものまで出現した。空気分離装置用空気圧縮機として5kg/cm2の高圧のもの(5,500kW)まで軸流式が採用されているのは特筆すべきことであろう。

真空ポンプも遠心式で1,600kWのものが製作され,真空鋳造,真空冶金の発達にともないメカニカルブースタも急速に発達してきている。

国際競争力の点からみれば,とくに化学工業用のものについて,まだ国産化されていないもの,品質・性能に問題があるもの,コストが高いものなどがある。

たとえば二元冷凍用圧縮機は1959年に輸入されたものでも4,000PSであり,外国ではすでに4連対向つりあい形圧縮機がある。


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