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  各論
§10  機械工業
III  主要機種別の状況
6.  製鉄機械(工業炉および圧延機)

製鉄所で使用される装置のうちで,コークス炉。・焼結炉・熔解炉・熱処理炉等の工業炉と圧延機は,技術的にかなり問題の多い部門である。

圧延機械はすべて注文生産で,一台一台が新しい設計になり,そのまま実用に供されるので,基礎技術の少ないわが国で,優れた機械を作ることは難かしい。

そのために,基礎技術より末端に至るまでの技術をほとんど外国より導入することにより始めて国産化が可能となつた。国内の技術も開発されてはいるが,現段階ではほとんど導入技術に依存しなければならない実情である。従来は本体部分が輸入され,それに付属する前後の設備および附帯設備は,それらの図面を購入して国産化したケースが非常に多い。したがつて導入技術件数も多いが,乙種技術援助契約の方式による図面購入,機械の組立て,据付および運転が大部分である。そして乙種技術援助契約により実績を積み重ねて,部分的な国産化から完成品の国産化に到達しつつあるものもある。ザツク,ブローノツクス,メスタ,デマーク等の技術がそれに相当する。

工業炉部門では,その技術の種類も多いが,技術導入件数も他の技術に類をみないほど多く,それも鉄鋼メーカが大部分である。

圧延機と併せて考えると,製鉄用の設備は導入技術なしには作ることがほとんど不可能ではないかと思われる。工業炉も乙種の図面購入が多く,しかも大部分需要者側が行なつているが,これは工業炉は製造工程と直接に関係があり,炉の構造,方式から製品製造上のノー・ハウが推察できるから,需用者側はその技術の洩れるのを防止する目的で自社の補修・整備担当部門や子会社で製作させることが多いからであろう。導入技術によるとはいえ,その技術は漸く国際水準に達しつつある状態である。工業炉はその適格な設計のためには,使用目的等条件を十分知つた上で,熱学・冶金工学・機械工学・電気工学等の総合技術と豊富な経験的なノウ・ハウを必要とする。これらは現在のわが国の体制では,研究投資と経験に限界があり,高性能化してゆく技術の開発はやゝ困難であるから外国技術に追随するのはやむをえないであろう。

しかし製鉄部門は,その投資額も最も大きいものの一つであるので,製鉄機械および装置,さらに総合的なプラントを製作建設する技術が一日も早く確立されなければならない。


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