ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
  各論
§10  機械工業
III  主要機種別の状況
5.  繊維機械

わが国の繊維機械工業は,輸出産業としての地位を確保しており,価格の点では国際競争力がある。しかし,これは天然繊維に関する機械についてであつて,最近天然繊維を圧倒している合成繊維,化学繊維,準備機,特殊の天然繊維の機械についてはかなりの問題がある。化繊・合繊機械および高温,高圧染色装置はかなり外国技術に依存している。また,従来優位をつていた紡績機も,高速かつ高生産性の面では遅れ始め,シヤツトルレス織機,ギヤドライブの高速紡績機は外国技術に依存している。

次に繊維機械の最近の動向を眺めてみよう。

(1)紡績機械:近代化が急速に進められ,高速化・連続化・自動化・自動制御などが各機種にわたつて行なわれた。

とくにメーカとユーザとが協同研究の結果,完成したCAS紡績方式(Continuous Automated Spinning)は注目されている。

これは混打綿より練条までの連続したBCDユニットを超ハイ精紡機の2工程で紡績し,精紡機の自動玉揚機からのコツプを自動的に供給するACFと自動ワインダが後続する。

(2)製布機械:自動化・高速化・能率化の傾向が盛んで,とくに準備諸機械の進展が著しい。なかでも高速ワインダとスラツシヤサイジングマシンが大いに進展している。

織機も高速化,自動化が盛んで,とくに全自動管換式織機におけるスーパマガジンの採用と押しボタン操作の採用は大きな特徴である。近来合繊・化繊の発達に伴ない,各種の細デニールのフイラメント織物の分野に,とくにその糸の性状に適合した自動織機が台頭し始めている。

(3)染色仕上機械

連続化,自動化,高度化の方向に進んできている。とくに積み重ね落下方式の連続精練機械,B音波利用の精練機,亜塩素酸ソーダを使用する連続漂白装置が重視されている。サーモゾル染法もパツダの圧力を自動的に変える精密の装置,染圧力を自動的に調整する12〜14色スクリーンなつ染機が作られている。ロール形なつ染機の自動調整,プリント速度の無段調節のものがあらわれてきた。

(4)合繊・化学繊維機械

合繊ではナイロン・テトロン・ビニロン・塩化ビニールの諸機械の大量生産化,ニトリル系各種の合成繊維機械が急速に発展しつつある。化学繊維でも,繊維素の主鎖に各種の分岐分子をつけた,グラフトポリマーの研究開発が進み,その機械が進んでいる。

不織布織機も乾式不織布製造機械はすでに工業的的になり,湿式不織布製造機が研究されている。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ