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  各論
§10  機械工業
III  主要機種別の状況
3.  産業機械



(1) 土木建設機械

わが国の土木建設機械は,戦後急速に発達してきた。そして土木建設機械は昭和35年度頃までにほぼ各機械が出揃つて,とくに新しい大型の機械の製作はみられないが,さまざまのアタッチメントを工夫することにより,機械の使用範囲の拡大と普及が活発に行なわれた。最近〃振動〃を建設機械に応用することに関心が寄せられ,ブルドーザ,コンクリート振動機,コンパクタ,ローラ,バイブロフロツト,くい打機,道床締固め機へ応用してその作業能率を高めることがめだつて増加してきている。

一方導入された技術もすでに相当消化されて高度のものとなつており,とくに注目されているものに全油圧駆動操作の掘削機械がある。振動ローラ,ポンプ式浚渫船等の導入技術は,わが国のこの種技術の確立に大いに意義があつた。

大型トラクタ(自重20t以上),大型シヨベル(デイツパ容重2m2以上)などは今後の技術開発が必要とされている部門である。

他方,わが国の土木建設機械も国際競争力の点からみると複雑な問題を含んでいる。

コンクリートポンプ,モータスクレーパ,中型シヨベルの価格は割高であるし,ブルドーザ,モータスクレーパ,グレーダ,バツチヤープラント,掘さく機械等は耐久性,性能が国際水準に近ずいているとはいえ,なお一層の進歩が望まれる。整地機械,アスフアルト機械等は,その需要が伸びているのにかかわらず,まだ量産体制をとるに至つていない。とくに問題があるのは大型ブルドーザである。トラクタ,ブルドーザは国産技術により開発され発展してきて,小型のものはほぼ国際水準に達しているとみられるが,大型のものは,最近30t級のものまで製作されているにも拘らず,性能的には外国一流メーカに比べてかなりの差がある。たとえば,20tクラスのものを比較してみると,価格は国産品は半分以下であるが,その耐用時間は外国品に比して見劣りがする。最近,大型ブルドーザの技術導入に関連して大きな問題が投げかけられる。

土木建設機械でもう一つ困難な問題は,需要者に外国品崇拝の風潮が強く,国産建設機械の技術を発展させるのに非常に大きな障害になつていることである。
(2) 荷役・運搬機械

荷役・運搬機械も大規模な設備投資に平行してその生産がきわめて活発である。荷役機械としてはとくに製鉄所関係のクレーンが多く,大容量,高能率のものがつくられ,その操作方法も自動化される傾向にある。記録的なものとして御衣母発電所の540×18mの天井クレーンがあげられる。

輸出品としてはパキスタン発電所向の350t×19.8m,スエズ運河向6/20t×31.5/11.5mスイングレバー式水平引込みクレーン,5t×20m水平引込クレーン等がある。これらは張かく構造旋回柱形水平引込みクレーンである。その他,橋形クレーンは一般にプレート構造(脚は張かく構造も多い)が多くなつている。特殊のものとして軽合金製や鋼製天井クレーンがあらわれ,高能率の建築工事用塔形ジブクレーンが製作されている。

運搬機械の分野では,工場の運搬設備の合理化に伴い総合的運搬管理体制に移行し始めている。そしてコンベアの高度機能化はめざましいものがある。複動式トロリコンベアが増加し,多重駆動方式も信頼のおける確実なものとなり,4000〜1,000mのもので4駆動以上の完全な同調運転ができるようになつた。この種コンベアーはますます長大化し,自動車工場では延長15,000mに及ぶものも設置された。その他,超大形フオークリフト,リーチ式フオークリフト,歩行操作パレツトトラックなども生産されるようになつた。導入技術では,コンベア関係が多く,注目すべきものとしては,ケーブルベルトコンベア,連続生産用チェイン・コンベア,振動式コンベア等があげられるが,これらは着実にその成果をあげている。

クレーンの国際競争力は,国産品でもコストの面では同等であるが,デザイン,設計について必ずしも十分でない。コンベア類は国際的に割高であり,また,新技術の開発は外国が盛んで,わが国は導入に依存することが多い。つぎにエスカレータ,エレベータ等も技術的に遜色はないが,コストの面で中級品以下のものに競争力が乏しい。索道も割高である。


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