ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
  各論
§10  機械工業
III  主要機種別の状況
2.  工作機械



(1) 概要

他の機種に比較して技術導入が少ない部門である。しかしこれは必ずしも国産技術が優秀であるからではなく,ドイツやアメリカの優れたメーカが商品の輸出を第一とし,技術を売るのに消極的であることによる。

国内では鉱工業研究補助金による試作研究がわが国の工作機械の技術進歩に大きな役割を果たし,かなりの部門において国産化が成功した。しかし工作機械の輸入の実情にみられるように,国内需要の約1/3が輸入に依存し,それも技術的には水準の高いものが多いので今後の国内の技術開発が必要とされている。

とくに自動旋盤,治具中ぐり盤,研削盤,歯切盤などの高級機種についてのおくれがみられる。そしてこれらの輸入の多いアメリカ,西独製品については,技術導入が行なわれていない。

最近の工作機械で注目を集めているのは,イノセンチCWB複合工作機械,ハイダム403,工具自動交換装置付数値制御複合工作機械,生産ホブ盤,自動サイクル旋盤があげられる。とくにハイダム403工具自動交換装置付数値制御複合工作機械は国産技術の成果であつて,オートメーシヨン工作機のなかで決定版といわれている。この機械のエレクトロニツクには,全トランジスタ回路をDPM方式によるアナログ録音が採用されており,工具の自動交換が可能となつたので,全くのノーマンコントロールマシーンとなり,非常に高度の技術により初めて完成されたものである。

自動サイクル旋盤は,パンチカードプログラム制御によるオートメーシヨン機械で,電気,油圧制御による自動サイクルも可能となつている。これはベルギーの技術を導入して国産化しようとするものである。

一般の機種についても,旋盤,中ぐり盤,フライス盤,平削り盤およびブローチ盤,研削盤について,各社が新製品を開発しかなりの技術進歩を示している。

そのなかでもチヤツク作業用AF360形自動旋盤,NCL7型数値制御旋盤,倣い装置付No.3CFB型横中ぐり盤,130mm横フライス中ぐり盤,2MD形数値制御立フライス盤,テーブルの駆動を除き,すべての制御が電子管式のGHL300Sテーブル往復動形平面研削盤,PFG1光学式成形研削盤,ロータシヤフト用トランスフアー研削盤がおもなものである。
(2) 国際競争力よりみたわが国の工作機械

(a)旋盤

技術的には欧米に比して遜色ないといえるが,量産体制が確立していないことおよび生産技術,設計技術の立ち遅れのために価格は割高である。

(b)フライス盤

性能,価格ともに国際水準に近づいたといえるが,重切削用などの高性能のものについては,技術的な立ち遅れがある。

(c)研削盤

研削盤の精度のJIS許容誤差と外国一流製品とのそれを比べると。 表10-2 のごとくかなりの差がある。価格も欧州品に対し15〜20%高である。

表10-2 研削盤の精度比較

(d)対策

生産体制の合理化,近代化,設計技術の向上,共同研究と規格統一の推進が要望されると同時に国産品の愛用が必要である。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ