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  各論
§10  機械工業
III  主要機種別の状況
1.  内燃機関



(1) 舶用及び発電用内燃機関

わが国の造船工業は,すでにSulzer,MAN,B&Wの世界の3大メーカーの技術を導入して,大型舶用機関を国産化するとともに,一方国産技術の開発によりUE,WZ機関を完成した。超大型二サイクルクロスヘツド形デーゼル機関の進歩は目覚しい。

これは大形化にともない溶接構造を採用し,排気ターボ過給機の性能向上によることが大である。また,低質燃料が使用できるようになつている。高過給の採用により正味平均有効圧力は,昭和35年には,前年に比し7〜8kg/cm2よりさらに8〜9kg/cm2に上り,1シリンダー当りの連続出力は2,000BPSにまで向上してきている。二サイクルクルクロスヘッド形デーゼル機関も超大型のものと同様である。とくに42VTBF90の平均有効圧力は9.5kg/cm2に達している。

その他二サイクルトランクピストン型デイーゼルエンジンも殆んど排気ターボ過給機をつけ,四サイクルデイーゼル機関もV型の機関の進出目覚しく,平均有効圧力,回転数とも大きくなつている。軽量高出力二サイクルデイーゼル機関も世界最高の水準にあり,9UET52/65形は,1シリンダー当り出力899PSでトランクピストン形では世界最大の出力で,重量も11.8kg/PSと最も軽い。
(2) 自動車用機関

1960年から小形四輪乗用車のシリンダ容積がガソリンエンジンは2,OOOccまで,デイーゼル機関は制限なしとなつた。このため1,900ccクラスのものが相ついで発表され,わが国で始めてのトルクコンバータを採用するもの,カム軸をチェインで駆動し油圧チエーンテンシヨナーを採用するなど漸新かつ新らしい技術が採用されてきた。デイーゼル機関も過給度は28〜33%ぐらいで最高軸平均圧力8kg/cm2より10kg/cm2前後まで向上し,小型トラックや乗用車の分野にも進出し,ガソリンエンジンと比肩する段階になつてきた。その他特殊機関も,バンケルエンジンとの技術提携が行なわれて,その研究実用化が進められている。
(3) 車両用および建設機械用内燃機関

車両用高速大馬力デイーゼル機関については,MAN,Benz,Mybach等の技術が導入された。一方,国産でも大馬力のものも開発中である。この種の機関については,わが国では相当遅れた状態であつた。これらに関連して,大馬力のトルクコンバータも導入され,わが国の車両のデイーゼル化を進展させた。建設機関用内燃機関も,起動用機関をもつた専用機関の発表,ブルドーザ用の空冷デイーゼル機関の開発が行なわれ,外国に劣らず進歩を遂げている。
(4) 農業用内燃機関

わが国の水冷石油機関,小型水冷デイーゼル機関の技術は国際水準に達し,十分な国際競争力をもつているものと認められている。空冷ガソリンエンジンも技術的にほぼ完成されたものと考えられるが,価格的には国際水準に比べて20〜30%割高なので国際競争力に打ちかつ対策が必要とされている。

欧州において,いちじるしく普及してきている空冷デイーゼル機関については,国産技術も着々と開発されているが,一方外国の技術もスチールの2サイクルエンジン,ハツツ及びMWMの技術が導入されている。今後は空冷デイーゼル機関が小型内燃機関の中心となるものと思われる。
(5) ガスタービン,フリーピストン機関

ガスタービンについては,かなり早くからクローズドサイクルの技術がエツシヤウイスから,オープンサイクルの技術がB.B.C,ウエステイングハウスより導入され,生産出来る体制にあるが,その需要は未だ数える程しかない。

フリーピストン機関の技術も導入され,国産化されて使用され始めている。
(6) その他

過給機に関する技術もNapier.B.B.C,Sulzerのものが導入され,広く採用されている。この部門は従来非常に遅れていた部門である。


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