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  各論
§10  機械工業
II  機械工業における技術(電子及びオートメーションは電子技術参照)
6.  運搬管理


最近,企業において,運搬管理への関心が非常にたかまつてきているが,これは直接工が作業をしている時間中に占める運搬関係の時間が 表10-1 の如き高率を示していることが分つてきたからである。そして物資が一貫して流動しているという考えのもとに,物資の流通管理をするという見方もあらわれている。この観点はさらに拡げられて,自社内のみならず,他社との関連において運搬の合理化を考えるようにさえなつている。合理化の手法としては,(1)プラントレイアウトよりするもの(2)流通技術よりするもの(3)フローラインよりするもの(4)付加価値的見解よりするもの(5)資材管理よりするもの(6)環境管理よりするもの,等があげられる。

表10-1

一般の機械工業では,運搬高さを一定にする,中つぎを止める,プラントレイアウトをよくするという点を中心に改善が進められ,運搬の合理化への気運がたかまつてきている。具体的な例として,つぎのものがあげられる。(1)フオークリフトトラックの使用が活発になつてきた。これはユニツトロードシステムやパレチゼーシヨンがたくみに採用されるに至つたためである。(2)フオークリフトに合わせてハンドリフトトラックの使用が盛んになり,安価な方法により中つぎ的運搬をなくする傾向がある。さらにパレットリフトトラックの出現により一段とよくなつている。

(3)運搬に要する損失時間・損失面積をできるだけ発見して機械の配置替えとコンベヤーシユートの採用により問題を解決し,そのために運搬距離は1/20に,運搬時間は1/5に低下し,同一工場面積が3倍にも使用することができるようになつた例がある。そのために生産コストは低下し製作日限が1/10近く短縮された例もある。(4)徹底的にローラコンベヤ方式を採用して運搬の高低差をなくし,従来の典型的な非水平運搬・中つぎ運搬を改善した。(5)機械の種類が多く,その台数も多い工場では,検査・けがき・一時置きなどのために,素材や仕掛品の往復が多くなり,運搬距離が長くなり,運搬回数は多くなるが,従来の機械的配置(機械の種類別配置)をやめて,流れ配置に改めて合理化を行なつている。量産工場のみならず,非量産工場でもかなりこなしている。(6)軽機械工業では,チエイントロリーコンベアにより機械間と工程間の運搬を試みつつある。これは空間を利用できるので工場を有効使用することができる。(6)重機械工業では天井走行クレーン,多くのトラッククレーン,大型のフオークリフトの使用が一つの傾向となつている。

中小企業では機械の配置を変更することにより運搬効率を高めている。たとえば分散配置を流れ配置にしたり,配置換えをする場合に,その機械の周囲にある諸段取り用設備を改善している。小企業で,は飛躍的な機械化は無理であるので,そのつど階段的に改善している。ホイルコンベヤ,ローラコンベヤの使用,おき台,すべり台,シシートなどを可搬式に活用して部分的ではあるが高い効果をあげている。中小企業ではベルトコンベヤ化,フオークリフトの使用,トレーラ方式の採用,ホイストの工夫,ローラコンベヤのレイアウトの工夫が目立つている。

運搬管理は,能率の向上とコストの低下に非常に有効に働くので,国際競争力の強化のためのコスト低減にも運搬管理が有力な技術であり,これの研究と実施が要望されるゆえんである。


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