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  各論
§10  機械工業
I  機械工業と経済発展
3.  機械工業と貿易

図10-4 は機械類輸出入額の推移を示している。

この図に示されるように,機械工業(船舶,車両を除く)は昭和32年,33年は入超であつたが,昭和34年以降は出超でしかも大きく拡大している。そして輸出額の中で機械類の占める割合は25.6%で,従来から大きな比重を占めていた繊維および同製品の30.2%に接近しており,輸出額の中で大きな役割を示しつつある。他方輸入において占める比率は9.8%で,それ程大きくはない。

図10-6 機械類輸出入額の主要機種別構成比

このように貿易面において好ましい傾向を示しているとはいえ,その内訳をみると必ずしも楽観できるものでない。 図10-6 によつて輸出入の内訳をみると,輸出は船舶,一般機械の中のミシンおよび繊維機械,電気機械のうちの無線通信機器(テレビ,・ラジオが86%),自動車(バス,トラックが73%)がおもなものであり,資本財としての一般機械,自動車の中で重要な地位をもつ乗用車の輸出はまだ不十分である。一方輸入機械はボイラ・タービン・内燃機関等の原動機,工作機械,金属加工機械,近代的な統計機械を中心とした事務用機器,重電機と無線機器を含んだ電気機械,乗用車と航空機等の輸送用機械,精密航空計器類がそのおもなるもので,質的には高度の技術の内容をもち,わが国の経済発展とその質的高度化を達成するための資本財が大部分である。この点からすれば,輸出額が輸入額を上回るといつても,なお,重大な問題を含んでいるといえよう。最近におけるわが国の機械工業が一般機械,電気機械,乗用車を中心にかなりの上昇を来たしたとはいえ,それはあくまでも従来の経済環境,すなわち厳格な輸入制限による保護政策のもとでである。貿易の自由化,および強大な競争力をもつて台頭してきたE.E.Cの影響を考慮した場合,わが国の機械工業の発展,ひいては日本経済の発展は,必ずしも楽観しえないといえる。

日本経済の発展に大きな寄与をしている機械工業のうち,資本財としての一般機械,自動車はそのコストと同時に技術的水準が大きくその競争力に影響してくる。とくに前者は,コストよりも製品の性能-技術により重点がおかれるのである。

これらのことを前提として,わが国の技術がどの程度の影響をもつているか,そしてこれらの現状からどのようなことが要請されるかについての検討を加えてみよう。


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