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  各論
§9  繊維
II  繊維工業技術の動向
6.  特殊加工

加工技術の進歩は,製品の多様化の要請にこたえ,種々の新製品を生み出しているが,その主なものをあげてみよう。

(1)嵩高加工糸(バルキーヤーン)

熱可そ性の繊維により,屈曲などの外力を加え,歪んだ状態で熱固定し,これを普通の状態で使えば,繊維は常に歪んだ状態に戻ろうとし,変つた性質がでてくる。このように繊維に嵩高性伸縮性を与える加工法であつて,多くの製法があり,それぞれ性質の異なつた加工糸がえられる。

ウーリーナイロンの出現はナイロンの用途を極めて多彩なものにしたが,今後は伸縮性の少ないバンロン,伸縮性は全くないが,嵩高性のあるタスランなどを利用して,多様な織物がつくり出されるものと思われる。

また高伸縮性系の織物による弾力的な衣服にも関心が持たれている。

(2)不織布

不織布は,より(紡績)と交錯(編織)によつて布をつくるかわりに,薄層状に直接繊維と繊維を接着させてつくつた布である。

現在までのところ,原料繊維選定,薄層のつくり方,接着剤,接着方式等多くの面で未解決の問題を抱えており,用途も芯地と濾過布に自己の分野を確立したのにとどまるが,将来の可能性は大きい。

(3)合成皮革

ナイロン樹脂を溶剤に溶かし,可そ剤,軟化剤を加え,基布に塗布してつくる。基布に不織布を使うことも考えられているが,いずれにせよ今後一段の技術開発を必要としており,それだけに発展性のある国産技術である。

ナイロンが絹,毛,綿の周辺にナイロン繊維独自の領域を開拓したように,天然皮革の周辺に全く新しい材料として独自の領域を確立することが期待される。

(4)フオーム・ラミネート

ポリウレタンフオームの薄層を布にラミネート(薄片を重ねること)したもので,縫製して衣類にする。基布としては多くメリヤス地が使われている。フオーム・ラミネート衣料は,1)軽くて暖かい,2)通気性がある,3)丸洗いができる,4)メリヤスの型崩れを防ぐなどの特長を持つているが,何としても軽くて暖かいために,防寒衣料,とくにメリヤス衣料に大きな影響をもたらすであろう。

ラミネートの方法としては,直火融着法,接着剤法,直接発泡法の3法があるが,現在は,直火融着法が主体である。接着剤法,直接発泡法の開発が進めばかなりのコスト切下げが期待でき,適当な基布を選定し,縫いにくいという難点を解決すれば新しい衣料として発展の可能性がある。

現代人の嗜好にマツチするかどうかがそのポイントとなろう。


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