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  各論
§9  繊維
I  繊維工業の動向とその技術的背景
4.  繊維工業技術の特質

繊維製品の場合,商品に対する価値判断の基準は一義的でなく,生活水準の向上や生活環境によつても変つてくる。個人的な嗜好によつて左右される面が大きく,実用性に劣らず装飾性も重要な要素であり,時には相反する二面を同時に追うことを要求され,繊維間の競合を一層複雑にしている。

技術革新の最先端を行く合成繊維についても,繊維消費科学が漸く発展の緒についた現段階では,その最終製品の良否は経験的加工技術の良否に負うところが大きいのが現状である。

表9-4 主要国合成繊維価格の推移

要するに,数次の加工を経て商品となる生産形態の複雑さと,対象が複雑な高分子化合物であり,その性質も十分には解明されていないことが繊維工業技術の性格を特徴づける要因であり,経験的技術から完全に脱し切れない点に,競合問題の解決を困難にしている一因があるといえる。


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