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  各論
§7  水産業
II  水産技術の変化とその方向
4.  漁獲物の処理,加工技術

漁獲物はきわめて変質しやすく,しかも不定期に一時に大量漁獲されるものが多い。このため,鮮度保持とか,加工品の品質向上とか,漁獲物の完全利用化などが要請されたが,最近の処理加工技術の進歩は,これらの問題を著しく改善している。とくに,加工食品への傾向の増大とともに,水産加工品は単なる商品の価値の向上では,需要増大は期待できなくなつた。

したがつて,生食用,加工用を問わず,その鮮度保持をはかることはもちろん,食習慣の変化にマッチした加工食品の創製,栄養価値の向上に重点をおいた冷凍,缶詰,くん煙,防腐等についての技術を工夫改善するとともに,また,飼料,ビタミン,油など,副産物の製造に関する技術を高度化し,資源としての有効利用と付加価値の増大をはかる必要がある。
(1) 原料処理の改善および食品添加剤の進出

産地冷蔵庫の充実,輸送方法の改善(冷蔵貨車,冷蔵運搬船の充実),工場内の洗滌,殺菌灯の普及などによつて,大量の原料の貯蔵が衛生的におこなわれるようになり,また,防腐剤(ソルビン酸,CTC),酸化防止剤(BHA,BHT),食品安定剤(多燐酸混合剤),発色剤(アスコルビン酸ソーダ,ナイアシン)および,各種添加用ビタミン,合成香料,色素類,調味料などの進歩と適用は,漁獲物の鮮度維持,加工品の品質向上に大きな効果をもたらしている。
(2) 大量生産化技術の確立

需要の増大,品質保持技術の進歩に支えられ,水産加工にも本格的なマスプロ・システムが導入されている。魚肉ソーセージ,ハムなどはそのもつともよい例で缶詰はもとより,冷凍食品,練製品その他包装食品にまでも,この傾向がおよんできている。

そして,これらは,品質の均一化と高度技術をめざして,まず調理機械,加熱機械,包装機械などの面に顕著にあらわれ,コンベア方式と連結して大量生産を可能ならしめている。
(3) 包装技術の進歩

防湿セロフアン,ボリエチレン,塩化ゴム,塩化ビニール,ポリエステルなど,新しい包装材料の出現は,いままで簡易な包装のなかつた佃煮類はもとより,くん製品,スライスハムといつた製品から,えび,かい類の乾物まで包装できるので,こんごの製造技術に新しい方向を与えている。とくに,包装食品の保存性,外観などの点から真空包装,ガス包装が研究され,実用化されている。


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