ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
  各論
§7  水産業
I  近代化の問題点
2.  総合食品化への傾向

現在,大規模水産会社は,加工原料を目的とした漁撈生産によつて,各種缶詰,魚肉ソーセージ,魚肉ハムをはじめ,各種調味料,食用油脂など新しい製品をつくつている。これらの生産は急速にのびており,その性格も水産食品以外の食品部門と相接するようになつてきた。たとえば,畜産との関係は,ソーセージ類についてみると,魚肉ソーセージには,豚脂が重要な原料として使われ,畜肉ハムソーセージといわれるものの中に,魚肉,鯨肉を原料の一部にするものがあるなど,両者の境界線が次第にあいまいなものとなつてきており,相互に補完的な役割が増大している。また,水産会社の生産する大量のフイッシュミール,フイッシュソリブルを原料とする濃厚飼料を仲介として,漁業と養鶏を含めた畜産業との間に補完関係が成立し,共存しうる態勢が確立され,さらに大量の鯨油,魚油の加工を通じて油脂部門,また,農産物,果実缶詰部門への進出が漸次おこなわれようとしている。

このように,水産会社は,水産加工を母胎として,次第に縁辺部より拡大することによつて,結果的には総合食品化への途をたどりつつあるといえる。しかし,食生活の内容が変化しつつある現在,その方向として予想されるものは,高度に技術的な性格をもつた加工である。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ